研究課題/領域番号 |
20K21784
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 泰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80210376)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ポリゴンデータ / 可展形状 |
研究開始時の研究の概要 |
.3Dスキャナで取得されるポリゴンデータは非常に細かく膨大なポリゴンで構成されるため,シート材で製作するには可展形状として近似する必要がある.従来の研究では,柱面や錘面などの可展面や帯型形状を用いて,可展形状に近似していた.しかし,最終形状と元のポリゴンデータに対応がなく,近似精度の評価・制御などが困難であった.本研究では,入力形状と近似形状の各要素を一対一に対応させるべく,パーツを稜線に沿って分割するとともに,離散曲面の特徴量を利用して位相を保存したまま可展形状に変換する.さらに組立て工作の手間を低減するために,パーツを分割する際にはパーツ数を可能な限り抑えるようにする.
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研究実績の概要 |
3Dスキャナの発展に伴い,3次元形状表現としてのポリゴンデータが広く社会に浸透してきている.ポリゴンデータの実体化にあたって,紙や金属板などのシート材を用いる場合には,ポリゴンデータを可展形状として近似することが必要不可欠である.従来の研究では,3次元CADで得られるパラメトリック曲面形状を前提としており,形状データを複数パーツに分割して,各パーツを柱面や錐面などの可展面やストリップと呼ばれる帯型形状によって可展形状としての近似を実現していた.しかし,ポリゴンデータの場合,位相構造がまったく異なってしまうため,近似誤差を議論することやパーツ数を制御することが困難になっていた.本研究では,与えられたポリゴンデータの位相を保存したまま可展形状近似することを目指す.つまり,入力形状と近似形状の各要素を一対一に対応できるように,パーツを稜線に沿って分割するとともに,位相を保存したまま可展形状に変換することにする.これにより入力形状と近似形状の対応関係を容易に得られるようになる.このためには,元のポリゴンデータの形式のまま,可展性の判定や近似を行う必要がある.そこで,可展性の評価にあたって頂点周りの角の総和という離散幾何学的な特徴を用いる.また分割するパーツ数が少なければ,仮に切れ目があっても接合部の対応関係を容易に判断でき,組立て工作の手間は大幅に減少できるものと想像される.そこで,パーツを稜線に沿って分割する際には,パーツ数を可能な限り抑えることを目指す.この処理においても,ポリゴンデータ,すなわち離散曲面を直接扱うために,離散曲面の特徴量を利用する方法が必要となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポリゴンデータを可展形状にするにあたり,まずパーツに分解する方策を検討している.ヒューリスティクスをもとにボトムアップ式に分解する方法をいくつか試しているが,残念ながら,特に有望な方法は見つかっていない.
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今後の研究の推進方策 |
いくつかの基本的なルール,ガウス曲率が負の領域ではパーツ分割が必須であること,ガウス曲率が正であっても絶対値が大きい場合には切れ目が必要となること,ガウス曲率がほぼ0の領域は1つのパーツとすべきことなどがわかっているが,これらの組み合わせ方が問題になると考えている.もうしばらくは試行錯誤的な実験を繰り返してみようと考えている.単純に計算パワーを用いて探索する方法や機械学習の応用などの可能性を検討している.
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