研究課題/領域番号 |
20K21787
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
下川辺 隆史 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40636049)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ステンシル計算 / 高性能計算 / 機械学習 / 高生産フレームワーク / 適合細分化格子法 / 動的負荷分散 |
研究開始時の研究の概要 |
流体計算などの格子に基づく計算では、高精度が必要な領域をより高精細な格子で計算できる適合細分化格子(AMR)法がマルチスケール問題解決の鍵となる技術として注目されている。本研究では、大規模GPUスパコンで従来と比較して極めて高性能なAMR計算を実現するため、機械学習によりシミュレーションの「未来」の結果を予測し、それに基づき計算負荷を動的に分散する手法を開発する。開発手法を課題代表者らが開発中のAMR法フレームワークへ導入し、様々な実アプリケーションへ適用する。本研究では、従来のシミュレーションだけでは不可能であった「未来」の予測を含めた時系列変化を考慮した負荷分散を実現することを目指す。
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研究実績の概要 |
流体計算などの格子に基づく計算では、高精度が必要な領域をより高精細な格子で計算できる適合細分化格子(AMR)法がマルチスケール問題解決の鍵となる技術として注目されている。本研究では、大規模GPUスパコンで従来と比較して極めて高性能なAMR計算を実現するため、機械学習によりシミュレーションの「未来」の結果を予測し、それに基づき計算負荷を動的に分散する手法を開発する。開発手法を課題代表者らが開発中のAMR法フレームワークへ導入し、様々な実アプリケーションへ適用することを目指す。 深層学習で、規模の大きい流体シミュレーションの 「未来」の結果を予測する手法を発展させた。昨年度までの研究では、複数の時間ステップを一つの空間の次元として捉えてEncoder-decoderモデルを基盤に、畳み込み層とそれに対応する逆畳み込み層の間にスキップ接続を導入した深層ニューラルネットワークモデルを構築した。昨年度までは限られた大きさの計算領域に対して予測を行っていたが、任意の大きさの計算領域に対して適用可能となるよう計算領域全体にパッチ的に順に適用することで、計算領域全体に対して「未来」を予測する手法を開発した。また、予測精度向上のため、損失関数として元々の流体シミュレーションが満たす方程式に基づいたものを導入することを検討した。 これと並行して、AMR法フレームワーク自体を格子ボルツマン法に適用できるように高度化し、3次元計算に対して適用できるよう開発を進めた。流体中を移動する物体を含む3次元シミュレーションに対して、物体周りの局所的領域だけを高解像度にするシミュレーションが可能となった。 研究を進めるにつれて「未来」を予測する手法の構築が重要で、そこに注力し研究を進めた。精度良い予測が可能となり、AMRフレームワークの動的負荷分散手法に適用できるという知見を得た。
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