研究課題/領域番号 |
20K21831
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 静岡大学 (2020) |
研究代表者 |
板口 典弘 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (50706637)
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研究分担者 |
吉原 将大 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (70822956)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 心理学 / 言語 / 認知症 / 失語症 / 自然言語処理 / 意味 / 前頭葉機能 / 時間 / 自然言語解析 / LDA / 言語流暢性 / 脳損傷 / 加齢 / 意味構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,自然言語解析に基づいた意味ネットワーク解析手法を開発し,脳損傷(失語症状)および加齢がネットワークの構造に与える影響を解明することを目指す。具体的には,(1) LDAと呼ばれる手法によって日本語における客観的な意味連想関係を抽出・数値化する。これに基づき,(2) 個人の意味ネットワークの特徴を定量化する方法論を確立する。最後に,この技術に基づいて,(3) 脳損傷・加齢による意味構造変容を定量化するとともに,それらを計算論的にモデル化する。本研究のアプローチは,ヒトの「意味構造」を量的に扱うことで,意味の認知とその変容に関する臨床研究を大きく促進する可能性を有する。
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研究成果の概要 |
本研究では,自然言語解析に基づいた意味ネットワーク解析手法を開発し,脳損傷(失語症状)および加齢が,ネットワーク構造に与える影響を解明することを目指した。研究の結果,以下の成果を得た。まず,日本語およびノルウェー語Wikipediaを対象としたLDA解析による,動物単語に関する定量的な意味構造を得た。次に,日本人・ノルウェー人を対象とした言語流暢性課題の成績を,それぞれの意味構造に基づいた視覚化方法を開発した。さらに,両集団において,単語産出インターバルと意味連想の強い関連性を得た。最後に,患者を対象とした研究によって,加齢や脳損傷・認知機能低下が意味構造変容に与える影響を定量化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,心理学的手法と情報学的手法を統合し,私たちの脳内において,「意味」がどのように表現されているかを検討した。この検討によって,加齢や脳損傷,認知症によってどのように個々人の意味構造が変容するかについて,その一端を明らかにすることができた。また,日本人とノルウェー人を対象とした実験を行った結果,文化によっても,意味構造が大きく異なる可能性を示した。これらの成果は,今後の何らかの認知機能が低下した方の的確な理解や,効率的なリハビリテーションの提案に繋がる可能性がある。
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