研究課題/領域番号 |
20K21836
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
渡部 匡己 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (70599480)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 生物画像シミュレーション / 細胞シミュレーション / 蛍光イメージング / 細胞モデリング / データ同化 / 蛍光顕微鏡イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、データ同化を蛍光顕微鏡イメージングに適用して、観測できていない細胞 内領域に存在する各オルガネラの物理情報(特に、屈折率と吸光係数)の分布を再構築することを 目指す。具体的な研究計画は、主に「細胞モデルの構築」「蛍光顕微鏡シミュレーショ ン の実装」「静的なデータ同化の実装」「データ同化の評価と実蛍光画像への適用」の4部 から構成される。
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研究実績の概要 |
細胞内のオルガネラや生体分子などの特性や動態を測定するには、GFPなどの蛍光分子を細胞内の生体分子にタグして観測する「蛍光顕微鏡イメージング」が よ く使われている。しかし、これらの方法ではタグされた生体分子が存在する領域の要素の分布や動態について知ることはできるが、それ以外の細胞内領域は観 測できていないため、その構成要素の分布や動態を解析することはほとんどできていない(図1)。また、タグされた生体分子が、どのようにして観測できてい な い領域に存在する要素と相互作用しているのかは、ほとんど明らかになっていない。 本研究では、「データ同化」を蛍光顕微鏡イメージングに適用して、観測できていない細 胞内領域の物理情報、特に「屈折率」と「吸光係数」を再構築するこ とを計画している。蛍光分子が発した光が、細胞の複雑な形状や細胞内のオルガネラなどの障壁により、屈折/反 射/吸収などの光学的効果を起こすため、実際 の画像は、細胞の真の像から多少なりとも 違って写っていることがわかっている。具体的には、これらの物理変数をベースとして細胞 シミュレーションの画像を生成し、実際の画像に変数フィッティングを行ない、観測できて いない領域における細胞内の各オルガネラに対応する屈折率と吸光係数の分布を再構築する ことを目指す。現時点では、研究計画の「細胞モデリング」と「生物画像シミュレーションの実装」に取り掛かっている。具体的には、以下の3つを主に進めて いる。 (1) 細胞モデル:シゾン細胞の電験画像をインプットデータとして細胞モデルを構築 (2) PALMシミュレータの実装:今後、光学的要素だけでなく、熱及び流体力学的要素も含めた計算を行う。 (3)上記の結果として2-3本論文を執筆中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
電鍵データの位相解析、強度輸送方程式の実装などの結果を論文にしたこともあり、遅れ気味だが、計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
方針をいくつか変更した。主にPALMシミュレータの実装することを目標にしているが、包括的に研究を進めるために、細胞内の光学的要素だけでなく、熱力学や流体力学的要素の再構築とそれらに伴う支配方程式のシミュレーションも同時に実装しつつ研究を進めていくことを決めた。
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