研究課題/領域番号 |
20K21838
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西岡 純 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (90371533)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 南極中層水 / 北太平洋中層水 / 栄養塩化学的特性 / 栄養塩濃度データセット / 生物生産 / 栄養物質濃度データセット / 南極海中層水 / 鉄 / ケイ素 / 珪藻 |
研究開始時の研究の概要 |
北太平洋が珪藻が優占する海になる理由を明らかにするため、北太平洋に栄養物質を供給する北太平洋中層水(NPIW)の化学的プロパティを決定する要因を明らかにする。そのために、化学的プロパティの形成過程がわかっているが、その特性の大きく異なる南極中層水(SAMW)の形成過程と比較する。NPIWとSAMWを比較することで、北太平洋特有のケイ素が豊富な水塊が形成される理由を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本挑戦的萌芽研究で得られた成果によって、南極中層水は表層の珪藻の増殖を支えるには鉄とケイ素が不足する海域となり、その一方で、北太平洋中層水ではケイ素が豊富な水塊となっており、その西側(NPIE-W)では鉄の供給も比較的多く、表層の珪藻の生産を支えていることがより明確に示された。今後、「なぜ北太平洋中層水はSiが豊富になるのか?」について、縁辺海を含めた物質循環システムの全貌を定量的評価する必要があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本が面する西部北太平洋は、全海洋の面積の6%を占めるに過ぎないが、全海洋の水産資源の27%を生み出す。これらの水産資源を支えているのは海洋の基礎生産者である植物プランクトンである。また海洋の基礎生産者である植物プランクトンは、光合成を行うことでCO2を有機炭素に変え、有機物粒子の沈降を介し海洋の中深層に送り込む。これは海洋生物ポンプと呼ばれ、特に大型の珪藻類が生物ポンプに果たす役割は大きい。本研究の成果は、西部北太平洋亜寒帯域がなぜ珪藻種の優先する生物生産の高い海になるのかを明らかにすることにつながり、日本近海の水産資源を生み出すシステムや二酸化炭素吸収メカニズムの解明に結びつく。
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