研究課題
挑戦的研究(萌芽)
自然放射線には、地球の誕生当初から存在する長寿命の放射性核種と、宇宙線に由来する成分がある。しかし、近年の研究で、雷雲や雷も電場による電子加速により、第三の自然放射線源になるとわかってきた。日本海沿岸に冬季に発生する雷雲から地上に放出される放射線を観測し、その発生条件を解明するため、可搬型の放射線測定器を製作し、金沢の市街地放射線マッピング観測網を構築する。十分な観測点を確保することに加え、放射線の到来時の気象の様子を目視や写真撮影で記録するため、インターネットも活用し、市民が参加でき、楽しむことのできるシチズンサイエンスのプロジェクトにすることを目指している。
日本海沿岸に冬季に到来する雷雲からガンマ線が検出されることがある。どのような雷雲でこのような現象が起きるかを系統的に調べるため、金沢の市街地に市民サポーターの協力を得て、シチズンサイエンスの枠組みで多地点の放射線マッピング観測網を構築した。このプロジェクトでは、小型でボタンひとつで動作する全自動の放射線モニター「コガモ」(Compact Gamma-ray Monitor)を開発して、市民サポーターに配布して測定を行うことができるようになってきた。本研究の期間内に、合計54台のコガモを展開し、送信データをサーバー上でリアルタイム解析して雷雲からのガンマ線の自動アラートを発出できるようになった。
自然放射線には、地球の誕生当初から存在する長寿命の放射性核種と、宇宙線に由来する成分がある。しかし、近年の研究で、雷雲や雷もその強い電場により電子 を加速し第三の自然放射線源であるとわかってきた。雷雲からの放射線は人体には影響がないレベルと考えられるが、雷雲到来時に限っては地面や宇宙線よりも強い放射線が到来しており、環境放射線のよりよい理解のためには、定量化とどのような気象条件で発生するかの理解が大切である。本研究では、オープンサイエンスの枠組みを活用し、市民が参加でき、楽しむことのできるシチズンサイエンスとして、多地点の雷雲ガンマ線のマッピング観測網の構築を推進した意義が大きい。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 8件) 備考 (5件)
Journal of Geophysical Research: Atmospheres
巻: 127 号: 3 ページ: 1-14
10.1029/2021jd035958
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 2020 号: 10 ページ: 1-27
10.1093/ptep/ptaa115
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