研究課題/領域番号 |
20K21845
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 (2021-2022) 広島大学 (2020) |
研究代表者 |
宮本 達雄 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40452627)
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研究分担者 |
阿久津 シルビア夏子 (AkutsuSilviaNatsuko) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10822299)
岩根 敦子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (30252638)
山本 卓 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90244102)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | UFB構造 / BubR1 / FIBーSEM / 集束イオンビーム-走査電子顕微鏡 / 染色体微細構造 / FIB-SEM技術 / ゲノム編集技術 / 放射線感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
電離放射線照射後の分裂期細胞には、セントロメア間にultra-fine bridge (UFB)構造と呼ばれる染色体微細構造が発達する。しかし、UFB構造は極めて動的な構造であり、従来の電子顕微鏡による観察が困難であったために、その超微形態構造は不明のままである。そこで、本研究では、培養細胞におけるゲノム編集技術と集束イオンビーム-走査電子顕微鏡(FIB-SEM)を駆使した動的染色体微細構造解析フローを確立して、多様なゲノムストレスによって誘導される動的なUFB構造の形態特性の解明を研究目的としている。
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研究成果の概要 |
ゲノムDNAの高度な繰り返し配列を含む領域は、複製されたDNAが絡まりやすく、分裂期において、これらのDNA領域にはDNAヘリカーゼ活性をもつ分子によってコートされ、ultra-fine bridge (UFB)構造が形成される。本研究において、電離放射線照射後の分裂期細胞のセントロメア間にUFB構造が発達することを見出した。また、分裂期チェックポイント分子BubR1は放射線誘導性UFB構造の形成に必要であり、その欠損細胞では放射線照射後の染色体断片化が亢進することを見出した。本研究では、FIB-SEM(集束イオンビームー走査電子顕微鏡)による細胞内微細観察フローを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
UFB構造は、ゲノム安定性を維持する上で必要な構造である。本研究では、放射線によってUFB構造が誘導されること、分裂期チェックポイントBubR1はUFB構造の形成を介して放射線による染色体断片化を回避する活性があることを見出した。これらの知見は、新たな放射線発がんの分子機構の理解を深めるだけでなく、放射線治療で生じるUFB構造を標的とした革新的な医薬品開発に繋がることが期待される。また、本研究で整備したFIB-SEMによる細胞微細構造解析フローは、染色体構造の可塑性や形態的多様性の理解を進めるための重要な解析手法と位置付けられ、さらに発展していくと考えられる。
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