研究課題/領域番号 |
20K21849
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植山 雅仁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60508373)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | メタンフラックス / 温室効果気体収支 / 陸域生態系 / モデリング / ビッグデータ / FLUXNET-CH4 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系におけるCH4生成から大気への輸送、消失の粗過程までを機構的に表現できる数値モデルを開発し、モデルを駆動させるために必要なパラメータを国際プロジェクト(FLUXNET-CH4)で整備された陸域生態系の全球CH4収支のデータベースにより決定する。このデータベースには、北極から熱帯の湿原、水田、森林など60サイトのデータが登録されている。この新しいデータベースと開発するデータ駆動型モデルを用いて、全球の生態系のCH4収支の推定とCH4収支を決定する要因を解明する。
|
研究成果の概要 |
渦相関法により観測されたメタン(CH4)フラックスを、CH4生成、酸化、輸送(植物輸送・拡散・バブル輸送)に分離するための手法を開発し、陸域生態系の全球CH4収支のデータベース(FLUXNET-CH4)を利用して、湿原のCH4放出量を説明するプロセスを推定した。開発した手法を、FLUNXET-CH4のデータベースに適用することで、手法が様々な湿原や水田のCH4放出量を説明できることを明らかにした。CH4放出に関わるプロセスを分離したところ、湿原間のCH4放出量の大きさの差には、CH4生成量の違いが主要因で、次に、生成されたCH4が酸化される割合が重要であることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陸域のCH4収支やその変動要因を定量評価することは、全球の温室効果気体収支や温暖化予測を向上させる上で喫緊の課題である。これまで陸域CH4収支の評価法は、個別の地点で観測されたCH4収支と環境要因とを統計解析するか、検証が不十分なモデルによる広域推定にとどまっていた。多地点の地球観測データを用いて数理モデルのパラメータを直接的に決定し、データ駆動による陸域CH4収支を決定する要因や気候応答を評価できたことは、プロセスモデルの高度化に貢献できる。数理モデルを使ったデータフュージョンを行うことで、得られたCH4収支の変動を粗過程に遡って評価できるホワイトボックス型の推定が可能となった。
|