研究課題/領域番号 |
20K21852
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
森 修一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究センター), 調査役 (00344309)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 航空気象ビッグデータ解析 / ADS-B/ACARS / ラジオゾンデ観測 / インドネシア海大陸 / ビッグデータ利用気象観測 / 航空機観測気象データ利用 / ADS-Bデータ利用気象観測 / ACARSデータ利用気象観測 / メソ気象観測技術開発 / 熱帯気象学 / メソスケール気象 / 航空機観測 / ビッグデータ解析 / オープンデータ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
時々刻々と世界を飛行する民間航空機は,航空交通管制用のADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast:自動位置送信・監視機能)信号を自動送信しており,これを独自受信し適切に処理することで風向風速や気温など気象データを取得できる.現在その一部は数値予報モデル計算等に用いられているが,大半のデータが無為に捨て去られている.本研究では,オープン&ビッグデータである離着陸中の航空機ADS-B信号を最大活用すると共に,GNSS受信機から得る水蒸気プロファイルを付加し,将来的に現業ラジオゾンデ観測を代替可能とする環境負荷の低い高層気象観測技術の開発を行う.
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研究実績の概要 |
当初計画における2022年度計画2項目に対して,その実績は以下の通りである. ①「前年度検討したADS-B変換データ最適補正を完成させると共に,準リアルタイム補正可能とするアルゴリズムを開発し,各受信局に実装する.」 インドネシアへ渡航は再開できたものの,インドネシアにおける全研究機関/部門の国立研究革新庁(BRIN)統合により,国際共同研究相手である気象気候地球物理庁(BMKG)官署への「研究用機材」の設置ができなくなった.このため,現在は上記BRINを通じてADS-B/ACARS受信機設置に係るBRIN=BMKG間の機関間協定の締結を約1年間にわたり待機している状態である.このため,2021年度に引き続き国内(当機構本部屋上),および新規に展開した京都大学MUレーダー観測所(滋賀県信楽),ならびに国立極地研究所(東京都立川)における受信観測を継続し,国内評価試験を実施中である.また,本件に関する共同研究契約を締結中の電子航法研究所とデータ解析技術等について定期的な情報交換を図り,受信データの最適補正アルゴリズムを開発中である. ②「領域気候モデルによる観測地点毎の感度実験(ADS-B変換データ同化およびラジオゾンデ観測除去)を多数回試行し,ラジオゾンデ観測代替可能性について学会発表ならびに論文発表の上で議論を行い,その社会実装について検討する.」 引き続きインドネシアにて実施予定であった現業ラジオ観測との同時同地点相互比較が不可能となったため,新規2地点を含めた国内3地点受信データと国内現業ラジオゾンデ観測との比較を行っているほか,同一航空機からACARS経由でAMDARへ送信している気象データとの直接比較を開始したところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で用いるADS-B/ACARS受信機(ハードウェア,ソフトウェア)試作機は完成しており,インドネシアの空港気象官署へ設置予定であった.しかしながら,年度途中からインドネシアへの渡航は可能となったものの,インドネシアにおける全研究機関/部門の国立研究革新庁(BRIN)統合により,国際共同研究相手である気象気候地球物理庁(BMKG)官署への「研究用機材」の設置ができなくなった.このため,現在は上記BRINを通じてADS-B/ACARS受信機設置に係るBRIN=BMKG間の機関間協定の締結を約1年間にわたり待機している. このため,当初インドネシアで実施予定であった現業ラジオ観測との同時同地点相互比較は2022年度も不可能となったため,ひたすら国内における機器開発と空間誤差の大きな評価試験実施に留めた研究活動となり,当初研究計画からは大きく遅れる結果となっている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度における計画遅延の主要因であるADS-B/ACARS受信機のインドネシア空港気象官署へ設置ができない件について,引き続きBRINを通じた交渉は継続中ではあるが,来年度については代替案として各空港に近接するBRIN研究施設を早期設置を急ぎ,現地現業ゾンデ・ADS-B/ACARS受信データの同時取得を最優先とする.その上で,当初予定していた最終年度2項目 ①「前年度検討したADS-B変換データ最適補正を完成させると共に,準リアルタイム補正可能とするアルゴリズムを開発し,各受信局に実装する.」 ②「領域気候モデルによる観測地点毎の感度実験(ADS-B変換データ同化およびラジオゾンデ観測除去)を多数回試行し,ラジオゾンデ観測代替可能性について学会発表ならびに論文発表の上で議論を行い,その社会実装について検討する.」 を実施すべく研究体制再構築を図る.
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