研究課題/領域番号 |
20K21853
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中島 一紀 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50540358)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 金属結合ペプチド / 都市鉱山 / ファージディスプレイ法 / バイオベースマテリアル / ファージディスプレイ |
研究開始時の研究の概要 |
ファージディスプレイ法などの進化分子工学的手法を用いて,特定のターゲットに結合するペプチドを人工的に獲得することができる。しかし,ペプチドは水溶性であるため金属イオンと錯形成するのみで回収することはできない。そこで,金属結合性ペプチドをセルロースやキチンなどの難分解性の天然バイオポリマーに結合した完全バイオベースの吸着剤を作製し,様々な種類の金属を含む溶液からの選択的な貴金属の分離・回収に挑戦する。
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研究成果の概要 |
セルロース結合タンパク質と貴金属結合ペプチド・タンパク質の融合タンパク質をセルロースに吸着したデザイン可能で低環境負荷の貴金属吸着材料を開発した。作製した吸着剤はいずれも水溶液中からAuイオンやPdイオンの回収が可能であった。また,融合タンパク質のデザインを改良することで貴金属イオンの吸着効率を増大させることができた。セルロースに吸着した貴金属イオンはソフトなリガンドを用いることで脱着・回収することが可能であったため,カラムを用いた連続吸着・脱着システムを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有価金属の回収や有害重金属の除去などに用いられる金属イオン吸着剤は,通常合成ポリマー(樹脂)を支持体として作製されているが,将来的な低炭素社会の構築およびSDGs達成のためには,石油化学品に置き換わる新たな材料・技術の開発が必要である。本研究で開発した貴金属回収剤はタンパク質と天然高分子のみからなり,さらにターゲット金属に応じて配位子を変えることができるグリーンかつ機能的な新たな概念の金属吸着材料である。この技術は,有価金属の回収のみならず,重金属汚染水の浄化,食品・医療分野での有害金属の除去など,資源・環境・食品・バイオメディカルなど様々な分野へ応用できる基盤技術になると期待される。
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