研究課題/領域番号 |
20K21856
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笘居 高明 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 教授 (80583351)
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研究分担者 |
成 基明 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任助教 (30747259)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ケミカルリサイクル / 低温改質 / ナノ粒子 / 酸素キャリア / 酸素ナノキャリア / ナノ粒子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
300℃以下の低温条件でプラスチックのガス化が可能となれば、合成ガスからプラスチックを合成する過程で排出される低温廃熱が、プラスチックガス化プロセスに融通できるようになるため、化石資源の燃焼が不要なリサイクルシステムが実現できる。本研究では、プロセス技術開発と技術アセスメントを連動し、低温プラスチック分解プロセスを通じた革新的ゼロエミッションケミカルリサイクルシステムを提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、廃プラスチックを熱分解による軽質炭化水素化したガスを、ケミカルループ型プロセスにより改質する、低温廃プラガス化プロセスのための基礎検討を行った。 ケミカルループ型プロセスにより、大きな吸熱を伴う炭化水素改質反応が、比較的小さな2つの吸熱反応に分割されることを示し、本プロセスの熱力学的有意性を示した。さらに種々の炭化水素改質の反応を実施し、ケミカルループ型の炭化水素改質プロセスが500℃で進行可能なことを実証した。加えて、酸素キャリアナノ粒子の安定性評価を実施し、白金族金属の添加や異種ナノ粒子との混合が焼結を抑制することを見出し、劣化抑制のためのナノ粒子設計指針を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、70%近くのプラスチック廃棄物が焼却され、年間約2000万トンのCO2が排出されている。このCO2排出削減のためには、プラスチックのリサイクルは不可欠である。しかし、ガス化ケミカルリサイクルの場合、1000℃を超える高温条件を必要とする現行プロセスでは、その熱供給のため約50%の廃プラスチックの自己燃焼を必要とし、CO2を多く排出する。 低温条件で、プラスチックのガス化プロセスが可能な革新的プロセスが実現できれば、プラントから排出される低温廃熱を融通できるようになるため、自己燃焼を抑制でき、リサイクル比率の飛躍的な向上、さらには大きなCO2排出削減が期待できる。
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