研究課題/領域番号 |
20K21874
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
森田 英嗣 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (70344653)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 被膜タンパク質微粒子 / ESCRT / レイトドメイン / CTLワクチン / 被膜微粒子 / 被膜ナノ粒子 / 出芽 / ワクチン開発 / CTL誘導 / 被膜小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアとして新たな人工被膜微粒子の作成方法の確立を目指す。数メガダルトンから成る巨大蛋白質粒子を、細胞に発現させ、出芽させながら微粒子を被膜させる方法を開発する。正二十面体を形成する微粒子のN末端側にミリストイル化配列などの膜アンカーシグナル配列、C末端側にエンベロープウイルスの出芽に必要なレイトドメインなどを付加した発現ベクターを、哺乳動物培養細胞に発現させ、細胞外に効率よく出芽させる方法を確立する。またその際、生体膜に膜透過型蛋白質リガンドを取り込ませ、適切な細胞に微粒子を送り込む方法も開発する。
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研究成果の概要 |
蛋白質微粒子サブユニットのN末端にNミリストイル化シグナル配列(N-myr)、C末端にレイトドメインをそれぞれ付加し293T細胞に発現させたところ、N-myr及びレイトドメイン依存的に微粒子が膜小胞として細胞外に分泌された。この膜小胞EPN (Enveloped Protein Nanoparticle)を介してOVA抗原をマウス樹状細胞に送達させたところ、CTL活性化能があることがわかった。EPNはCTL活性化能を持つ新しい蛋白質ワクチンとして機能する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体成分あるいはそれと類似の機能を有するペプチドは、ワクチンのみならず医薬品として大きな注目を集めている。しかし、一般的に安定性に乏しく、また高分子であることから生体膜透過性も低い。本研究における被膜微粒子を用いる製剤化の試みは、ペプチド及び蛋白質性薬物の生体内での安定化をもたらすと同時に、膜透過に対しても促進効果が期待されている。本研究で開発された被膜微粒子は蛋白質抗原を樹状細胞の細胞質に効率よく送達させMHC-クラスI (MHC-I) に提示させる技術に応用可能あり、蛋白質抗原にてCTL (Cytotoxic T Lymphocyte) 活性化誘導可能なワクチンになると期待される。
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