研究課題/領域番号 |
20K21880
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 理貴 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (00549529)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | RNAアプタマー / siRNA / ウイルス / キメラ核酸 / アプタマー / ウイルス感染症 / デングウイルス / 機能性核酸 / VLP / ウイルス様粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
DENVやZIKVなど効果的なワクチンや中和抗体の開発が進んでいないウイルス感染症が未だ多く存在する。この現状を変える解決案として、申請者が有する「ウイルス様粒子を活用した膜タンパク質アプタマー開発技術」と一塩基の違いを識別する「特異的RNAi誘導技術」とを融合することで、ウイルスの中和活性部位に特異的かつ強固に結合し感染を防ぎ、感染した場合も細胞内でウイルスゲノムをRNAiで分解する“All-in-One molecule”となる「多重特異性多機能キメラ核酸(Aptamer-siRNA Chimera)」の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究はウイルス感染症の新規治療分子創出への挑戦を目的として、核酸抗体「RNAアプタマー」によるウイルス中和機能と「siRNA」によるウイルスゲノム分解機能を併せ持つ複合体「多重特性多機能キメラ核酸」の創製とその有効性評価研究を実施した。その結果、デングウイルスをモデル標的として、結合活性および中和活性を有するアプタマー分子の同定、高効率にゲノムRNA配列を分解するsiRNAの同定にそれぞれ成功し、それらの複合体の作製と評価を行った結果、ウイルス様粒子に高い結合活性を持ちRNA干渉能を保持するキメラ核酸の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス感染症には、デングウイルスなどの未だ効果的なワクチンや中和抗体が開発できていない再興ウイルス感染症が多く存在する。長期にわたり続く課題の克服には、新たなアプローチによる治療薬開発への挑戦的研究が必要である。その実現のため我々は、上市実績のある機能性核酸「アプタマー」「siRNA」の2つを活用することで、ウイルス中和活性とウイルスゲノム分解活性を併せ持つ「多重特異性多機能キメラ核酸」の開発とその有効性評価を実施した。多様化が進む創薬モダリティの一つとしてキメラ核酸を提案し、その有効性を検証した本成果は今後のウイルス治療分子開発を議論する上で大きな意義を有していると考えられる。
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