研究課題/領域番号 |
20K21883
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
日比野 浩 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70314317)
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研究分担者 |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00302612)
緒方 元気 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (80452829)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 針状ダイヤモンドセンサ / 局所薬物動態 / てんかん / 電気化学センサ / 自由行動下 / フリームービング / 薬力学 / 電気化学 |
研究開始時の研究の概要 |
鬱病、統合失調症、てんかんなどの神経精神疾患の治療の軸は薬物であるが、重い副作用が生じることが少なくない。また、薬効と副作用が個人で顕著に異なる。従って、医療現場では患者毎へのきめ細かい投薬に配慮しているが、その効果は限局的である。脳での薬物反応と、血中濃度との相関が十分に把握されていないのが要因である。そこで本研究では、針状ダイヤモンドセンサを駆使し、覚醒動物から、脳の局所薬物濃度、神経活動、血中濃度、全身症状の全てを、同時かつ長期間に渡り、リアルタイム計測するマルチ・センサシステムを創製する。加えて、薬物作用数理モデルを開発する。これらにより、薬効や毒性の発現機構の理解を深化させる。
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研究成果の概要 |
てんかん治療の中心は薬物であるが、個人によって異なる薬の振る舞いから時に重篤な副作用を引き起こす。個別化投薬を実現するためには、刻々と変わる脳局所の薬物濃度や神経活動、全身症状などを、同時に測定の上、分析する必要がある。本研究では、申請者らが以前に開発した、ダイヤモンドセンサを用いた薬物測定システムを発展させ、覚醒・自由行動下で薬物濃度と神経活動および全身症状を同時にモニターできる埋め込み型センサシステムのプロトタイプを構築した。また、測定および解析法を工夫し、in vivoでも高感度に抗てんかん薬を計測する方法を確立した。本成果は、個別化投薬法の開発に資する計測基盤になると位置付けられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんでは長期間に渡り投薬される場合があり、重篤な副作用が発生する場合も少なくない。急性期においても、患者によって効果が異なる場合がある。これらの問題を解決するためには、実際の脳内での薬物濃度と神経活動の推移と、全身症状との関係を経時的に比較する必要があるが、従来の方法では不可能であった。これらの同時測定を達成しうる本研究の埋め込み型薬物モニタリングシステムの試作品は、自由行動下の動物を対象とすることが可能であるため、長年の課題にアプローチする重要な技術となりうる。従って、医学的、社会的意義は極めて高い。
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