研究課題/領域番号 |
20K21887
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前田 英次郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20581614)
|
研究分担者 |
松本 健郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30209639)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | コラーゲン / 腱 / 靭帯 / 血管 / 人工組織 / 力学負荷 / 線維配向 / バイオメカニクス |
研究開始時の研究の概要 |
腱,血管,椎間板などは損傷すると自己再生しない.自家組織移植による修復には移植片採取回数の限度,移植片採取部の治癒などの問題があり,また現在の人工代替材料を用いた修復術にも生体適合性や長期使用による機能劣化の問題が残る.したがって,適切な生理的・力学的機能を有し,最終的に組織再生を導く人工組織が渇望されている.そこで本研究では腱,血管,椎間板を対象とし,其々に特有の線維配向を模倣し,かつ生理的・力学的機能を有する人工組織を,力学負荷を用いて線維形成・配向誘導と構造体を一体形成する技術開発に挑戦する.
|
研究成果の概要 |
本研究では,生体組織は作用する力学負荷に適応した最適な構造を形成する原理に着目し,短時間に任意の線維配向をもつ組織を形成する新たな人工組織形成法の開発に挑んだ.酸性コラーゲン溶液からコラーゲンゲルを作製し,これに一軸方向の力学負荷を作用させつつゲニピンで架橋を施した.力学負荷量および処理時間を調整した結果,作製された人工組織の強度は約5 MPaとなり,未処理の組織と比べて強度を約250倍に高めることに成功した.また,電子顕微鏡観察により組織の線維は力学負荷方向に揃っていること,ラット腱由来の細胞を播種したところ2週間は細胞が生存したことをそれぞれ確認した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,臨床で求められている生体組織に近い材料,力学特性の人工組織作製に近づく結果である.生体が自然と最適な形態形成を行う過程に着目したことから発生生物学的な見地からも興味深い結果と言える.また社会的にも臨床における医療ニーズを満たす可能性を秘めた技術を開発できたと言える.
|