研究課題/領域番号 |
20K21896
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40252233)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 微小重力 / 宇宙 / メカノバイオロジー / メカノメディスン |
研究開始時の研究の概要 |
1.疑似微小重力装置搭載型顕微鏡システムの作製 A. クリノスタット:微小重力環境細胞培養装置を使用する.B. 蛍光顕微鏡の開発:蛍光顕微鏡の設計を行い既設の三次元光造形装置にてプロトタイピング後、アルミ材等で最終成型する.C. 特殊チャンバーの開発:クリノスタットは2軸回転を行うので通常細胞観察で用いるシャーレなどでは培養液が飛散してしまう為、ガス透過性の高いシリコン樹脂を用いた密閉系を使用する. 2.細胞運動・細胞形態変化・細胞内情報伝達等の評価 上記システムを利用して、①細胞内カルシウム動態、②細胞運動、③細胞骨格の変化を、1Gをコントロールとして比較する.
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研究成果の概要 |
「微重力下ではどのような細胞挙動をするのか?」と疑問に感じ、リアルタイム測定系クリノスタット搭載型蛍光顕微鏡の構築を本研究の目的とし研究に着手した。まず、リアルタイム観測が可能な蛍光顕微鏡載型疑似微小重力装置搭とクリノスタット回転培養可能な特殊チャンバーの開発を行った。この新たな蛍光顕微鏡を用いて細胞核を染色し、微小重力下でリアルタイム測定を行った。移動中にピントがずれるという問題点は残ったが、解析可能データ取得に成功した。核の挙動解析より、微重力下での有意な移動や変形は確認できなかった。細胞制御機能を有する核や細胞小器官への微重量が及ぼす影響を解明するためには、今後の詳細な研究が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上とは異なる宇宙空間においては様々な身体変化が報告されているが、その分子メカニズムに関して多く研究されているにも関わらず、肝心の重力センシングメカニズムに関しては不明な点が多い。我々は、重力感知機構に関する研究より、過重力時に密度の大きい核・ミトコンドリアと細胞骨格との相互作用が重要であることを明らかにしてきたが、微小重力下でのリアルタイム観察に関する科学的信用に足りる研究は皆無であった。そこで、微重力下での細胞挙動のリアルタイム観察が可能な蛍光顕微鏡搭載型クリノスタットの開発を行った。宇宙病発症メカニズムの解明という観点から微小重力下での挙動観測は、今後の研究に新たな可能性を切り開いた。
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