研究課題/領域番号 |
20K21902
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶原 稔尚 九州大学, 工学研究院, 教授 (10194747)
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研究分担者 |
水本 博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90346817)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 組織工学 / バイオマテリアル / ハイドロゲル / 酸素供給 / 三次元培養 / 酸素生成 / 血管化組織 / スフェロイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では酸素の一時的放出が可能なハイドロゲルを新たに調製し、ボトムアップ法を利用した培養組織体形成プロセスへと応用することにより血管化培養組織の構築を目指す。 まず、ハイドロゲルと細胞からなる、一単位で生存可能な大きさのスフェロイドを作製する。このスフェロイドをビルディングブロックと見立て、積み上げることによって自己組織化を誘導する。この際、スフェロイド表層に内皮細胞を配置するとともに、血管新生促進因子の固定化を行う。この結果、毛細血管網構築の促進とその間の細胞への酸素供給を同時に実現する。 本研究は培養組織体構築法の新たな展開を提供する挑戦的研究である。
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研究成果の概要 |
培養組織構築において、血管網構築までの間、一時的に細胞に酸素を供給出来る新しい手段の確立を目指し、過酸化カルシウムを含有したコラーゲンゲルの調製と生成される酸素の放出挙動について定量的解析、ならびに細胞を用いた性能評価を行った。作製した酸素生成コラーゲンゲルは最大120時間程度の酸素生成を確認し、また1%酸素雰囲気下での肝細胞の生存を支持した。以上の結果、本手法で作製したコラーゲンゲルは細胞に対し一時的に酸素を供給可能な培養基材として有望であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
培養組織内部に機能的な血管網を構築することは、再生医療において培養組織を移植用グラフトとして普及させるための必須の技術である。一方、細胞の酸素要求と組織構築や血管網構築に対する時間スケールのギャップが大きく、血管化培養組織構築の有効な方法の確立には至っていないのが現状である。 本研究は培養組織内部での血管網構築までの間に一時的に酸素を供給出来る代替手法を提案するものであり、新しい血管化培養組織形成プロセス構築への貢献、ひいては培養組織を用いた再生医療の実現化への貢献が期待される。
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