研究課題/領域番号 |
20K21903
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
安田 隆 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (80270883)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 細胞外ベシクル / 微小孔 / マイクロデバイス / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
構造が複雑で多様な膜タンパク質をその構造と機能を維持した状態でマイクロデバイス上に取得し、膜タンパク質周辺の環境を制御しながらその機能を解析することが可能な技術を構築する。具体的には、細胞への薬剤刺激により直径数マイクロメートル以上の細胞外ベシクル(細胞外小胞)を生成し、これを微小孔上に展開して固定することで、微小孔内にベシクル膜で保持した膜タンパク質を取得する。そして、微小孔近傍に微小電極等から成る測定系を構築し、膜タンパク質を通過する分子やイオンを検出する技術を構築する。
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研究成果の概要 |
膜厚約1μmの窒化ケイ素製自立膜に、直径数μmの微小貫通孔をアレイ状に形成した。この膜上にヒトBリンパ球様細胞を固定した。酪酸ナトリウムを作用させて細胞にアポトーシスを誘導し、直径10μm以上の巨大な細胞外ベシクルを微小孔から下方に突出させるように生成した。次に、約5μmの間隙を設けて、微小孔アレイ膜2枚を上下に配置した。上側の膜の上面に細胞を固定し、膜間に挟むように巨大ベシクルを生成させた。上下の膜を分離することで、下側の膜の上面にベシクル膜を転写した。以上のようにして、正常な構造と機能を有する膜タンパク質を、ベシクル膜に保持した状態でデバイスの微小孔内に取り出す技術を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜タンパク質は、細胞間情報伝達などで重要な役割を果たしていることから、有力な創薬ターゲットである。薬効と安全性が高い革新的な新薬を開発するには、膜タンパク質の機能をより詳細に解析する必要がある。しかしながら、構造が複雑で多様な膜タンパク質をその構造と機能を維持した状態でデバイス上に取得し、その機能を解析することは極めて困難であった。本研究の成果はこの課題を解決するものであり、創薬研究に新たな手法を提供し、新薬開発への大きな貢献を期待できる。
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