研究課題/領域番号 |
20K21908
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (20407141)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 胆汁排泄 / 胆管 / 毛細胆管 / 共培養 / 三次元培養 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓は生命維持に不可欠な機能を担うとともに、人工物で機能を代替することができないため、細胞培養による肝臓再生手法の開発が望まれている。従来研究では肝細胞の三次元培養に注力されてきたのに対して、本研究では、肝細胞による毛細胆管形成プロセスと胆管上皮細胞による胆管形成プロセスを時間的および空間的に制御することによって、毛細胆管と胆管を接合させる培養手法を確立し、胆汁排泄機能を有する肝・胆管複合組織の構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
生体外における肝臓再生を目指す肝臓組織工学において、肝細胞に毛細胆管を形成させる培養法や胆管上皮細胞に胆管を形成させる培養法は報告されていたが、これらを融合することによって毛細胆管と胆管が直接接合した肝組織を構築する手法は確立されていなかった。本研究では、コラーゲンゲルサンドイッチ培養法を基本としたラット初代培養肝細胞および胆管上皮細胞の共培養における播種濃度やタイミングを検討することで、毛細胆管と胆管の接合を誘導し、蛍光色素の排出や免疫蛍光染色によって、胆管と毛細胆管が直接接合していることを立証した。さらに、接合位置を調節するための新たな培養デバイスを開発した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓の組織工学研究において、毛細胆管や胆管をそれぞれ個別に再構築する培養法は報告されていたが、これらを融合した胆汁排泄を実現する培養法の確立は長い間重要な課題であった。本研究により毛細胆管と胆管が直接接合した肝組織を構築する手法が明らかになったため、胆汁排泄機能を有する肝組織の再生を実現した点で、本研究の成果は肝臓組織工学において極めて重要な学術的意義を有する。また、本研究の成果によって、今後は胆汁排泄という新たな観点から創薬研究・再生医療・バイオチップの研究が展開されることが期待される点で、社会的に重要な意義も有する。
|