研究課題/領域番号 |
20K21918
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
王 欽 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80875683)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 竹内好 / 終末論 / 魯迅 / アジア / 終末観 / 中国近代文学 / アジア論 |
研究開始時の研究の概要 |
中国近代文学研究者の竹内好は、戦後において独自なアジア論を展開し、知識人にさまざまな影響を与えた。他方で、彼の中国文学研究、とくに魯迅研究は、近年中国で大きな反響を起こし、学界で話題にもなった。ところが、竹内の「終末観」に注目し、それを視座として彼のアジア論を考察する議論は未だに少ない。また、竹内の魯迅論だけを取り上げるのでなく、彼の中国文学研究を全面的に把握したうえで、彼のアジア論を論じるものも意外と少ない。本研究は、竹内における終末的視野をもとにして、彼の政治的論説と文学的論考に貫いている革命性を究明し、彼の思想にひそんでいる切断性をもって閉塞している中国近代文学研究に刺激を与えようとする
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研究成果の概要 |
過去三年間、本課題の支援によって竹内好の終末観とアジア論について、日本語で論文を1本発表し、英語論文と中国語論文をそれぞれ1本学術誌に掲載した。また、英語の学術誌で竹内好特集を編集した。それに関連して、2022年に『魯迅を読もう』(春秋社)という著書を出版した。そのうち、「終末論」を直接的にテーマとして取り上げる論文が1本、アジア論と憲法論についての論文が2本ある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「終末観」という視点抜きには、竹内の魯迅論、そして竹内と魯迅の精神的なつながりを論じることができないことを、以上の成果によってある程度示しているのではないか、と思う。本研究は、これまでの国内外の竹内好研究においてあまり注目されていなかった「終末論」または「終末観」を竹内の思想を貫いているテーマとして指摘し、それをひとつの中心的磁場としたうえで、アジア論や憲法論や魯迅論など、さまざまなトピックを巻き込んで、彼の首尾一貫した思想を改めて提示した。
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