研究課題/領域番号 |
20K21927
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
坪光 生雄 一橋大学, 大学院社会学研究科, 研究補助員 (10876254)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ポスト世俗 / 世俗主義 / 世俗化 / チャールズ・テイラー / ジュディス・バトラー / 宗教概念批判 / 宗教言語論 / 公共宗教論 / 公共宗教 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「ポスト世俗(postsecular)」という概念の明確化を通じて、「世俗主義」や「公共宗教」について論じた近年の哲学・社会思想の潮流を批判的に特徴づけることを目的としている。その際、本研究の特色は、これらの知的言説が歴史的・政治社会的実体としての「実定宗教」に与えた新しい位置づけに注目する観点にある。これにより、「実定宗教の再政治化」とでも呼ぶべき動向が「ポスト世俗」をめぐる今日の言説状況の重要な特徴の一つであることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、「ポスト世俗」というキーワードのもとに捉えられる現代の思想潮流の特徴を明確にすることを目的としている。この目的のために、本研究は「ポスト世俗」という用語が意味するところやそのパフォーマティヴな含意について一般的な考察を加えるとともに、公共圏において伝統的な諸宗教が示しうる政治的なポテンシャルを論じた理論的言説の検討を行った。まず、政治哲学者チャールズ・テイラーの言語論の検討によって、「ポスト世俗的」な公共性のあり方に関する規範的洞察を明確化した。ついで、ユダヤ性に関するジュディス・バトラーの議論から、宗教的伝統を現代政治への批判へと翻訳する可能性を引き出すことを試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、近年の宗教学および宗教哲学研究において注目を集める、思想的トレンドを明確化したところにある。「ポスト世俗」というキーワードは、しばしば論者により異なる使われ方をされるが、本研究は、この用語の中心的な意味内容として、宗教的諸伝統の「再政治化」という動向を捉えようとした。チャールズ・テイラーやジュディス・バトラーといった現代を代表する思想家・哲学者の議論に即して、「ポスト世俗」の思想にとって共通の課題意識や、そこで模索される解決のおおよその方向性を捉えることができた。
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