研究課題/領域番号 |
20K21929
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 成城大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
下田 和宣 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10850844)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | ブルーメンベルク / 受容 / 文化哲学 / 宗教哲学 / メタファー / 神話 / 宗教 / 宗教概念批判 / 隠喩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はブルーメンベルク後期神話・宗教論で展開される「受容」概念の形成史的分析を通じ、その思索を「受容の文化哲学」という視点から解明する。第一に、「受容」概念の生成を初期における解釈学的問題系に遡り確認する。ハイデガーとの対決を通じ、ブルーメンベルクは独自に「受容」概念を練り上げていく様子が明らかとなる。次いで、「受容」概念の哲学化というブルーメンベルクの戦略が当時のどのような議論状況に根ざしたものであったのか、彼が創設に関わっていた研究グループ「詩学と解釈学」との関係を、未公刊の遺稿や書簡の調査を通じ究明する。これらの作業から、難解なブルーメンベルクの著述の文化哲学的核心が明確となる。
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研究成果の概要 |
20世紀ドイツの思想家ハンス・ブルーメンベルクの神話論や宗教論に見られる「受容」理解に着目し、ブルーメンベルクの思考を「受容の文化哲学」として捉えたうえで、その哲学的な意義と射程を解明した研究。文化に関する起源についての哲学的・人間学的研究か、あるいはその受容・変容に対する歴史学的探究か、といった二分法を超えたところで展開されるブルーメンベルクの文化哲学的思考は、神話や宗教について、あるいは人間について理解するうえで新しい示唆を与えてくれるものである、ということを本研究は明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、ブルーメンベルクの「受容」理解を、多様なテーマを扱い難解で知られるその諸著作を読み解くための、ひとつの視座として提供したことが、本研究の学術的な意義として挙げられる。起源と受容、オリジナルと変容は宗教や文化を考えるための基礎的なカテゴリーであると言える。従来の理解とは異なり、受容や変容を中心化させるブルーメンベルクの思考は、文化や宗教について柔軟にアプローチするための手がかりとなるはずであることを本研究を提示した。
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