研究課題/領域番号 |
20K21932
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
本間 義啓 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (30881859)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ミシェル・アンリ / ジャコブ・ロゴザンスキー / 誕生 / エゴの時間経験 / ジャック・ラカン / 時間 / エゴ / 精神分析 / ジャコブ・ロゴザンスキ / 無意識 / 真理 / フロイト / ラカン |
研究開始時の研究の概要 |
哲学と精神分析という二つの言説を横断し、「生」についての哲学的言説を構築するための新たな選択肢を模索すること、これが本研究の目的である。「生」という言葉によって問題にしたいのは、「より良い生」、「新しい生」を欲望するエゴの自己経験である。今あるこの生を超えて、新たに自らを生きようとするエゴの自己経験を分析するために、ミシェル・アンリとジャコブ・ロゴザンスキの自我論をとりあげ、それをフロイトやラカンの精神分析と突き合わせるかたちで読解する。自己経験に内在する幻想や狂気についての精神分析的考察をふまえたうえで、アンリとロゴザンスキにおける(再)誕生に関する議論の解釈を行いたい。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、哲学と精神分析を横断的に解釈しながら、誕生経験を論究することである。アンリとロゴザンスキーの哲学を解釈し、誕生に関する特異な哲学的アプローチについての考察を行った。彼らにとって誕生は、かつてエゴが経験した過去の出来事ではない。現在においてエゴが自らを感じる経験のなかで遂行される出来事なのである。両者の(再)誕生概念を考察することによって、「生の現象学」と「残りものの現象学」という特異な現象学における時間性の問題を考察することができた。またラカンの誕生概念と対照させることにより、哲学者たちが論究した自我概念、時間経験の問題を、自己経験の危機という観点から解釈しようと試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の第一の意義は、先行研究がほとんどないロゴザンスキー哲学の研究の蓄積に寄与した点にある。ストラスブールで開かれたロゴザンスキー哲学に関する研究会で発表を行い、ロゴザンスキー哲学を理解するためのいくつかのアプローチを提示することができた。第二の意義は、アンリとロゴザンスキーの哲学を解釈することによって、誕生に関する哲学的議論に新たな展開の可能性があることを示すことができた点である。また、誕生に関する哲学の議論をラカンの精神分析と対照させることによって、誕生概念を多角的に分析するだけではなく、哲学と精神分析という二つの異なる言説の交差の可能性を提示することができた。
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