研究課題/領域番号 |
20K21933
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
谷川 嘉浩 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 講師 (60884806)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自然主義 / プラグマティズム / 超越主義 / 質的調査 / アメリカ社会学 / シカゴ学派 / デューイ / 超絶主義 / 想像力 / 自然史 / 博物学 |
研究開始時の研究の概要 |
W.V.O.クワイン以降の「自然主義」が真っ先に思い浮かぶ。だが、自然主義は科学哲学の専売特許ではないし、クワイン的自然主義にも前史がある。J.デューイの自然主義である。当時の雑誌で「自然主義的ヒューマニズム」が標語化したことから、自然主義はクワイン以前の米国哲学を知る上でも重要であることが窺える。 本研究は、超越主義を「ロマン主義の一形態としての自然主義」とみなし、それが、しばしば自然主義と結び付けられる決定論的世界観に抗して、経験の言語化しきれない側面を強調したこと、その視点がデューイの「自然主義」に引き継がれたことを示す。その作業によって、クワイン以前の自然主義の系譜を描く。
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研究成果の概要 |
本研究では、研究代表者が行ってきた20世紀アメリカ哲学の研究を踏まえ、ジョン・デューイをはじめとするプラグマティズムに流れ込んだ「自然主義」という語彙の前史やその後の展開を探るものである。その結果、大きく二つの研究結果を出すことができた。第一に、博物学者のジョン・ミューアと哲学者のラルフ・ウォルドー・エマーソンというアメリカ文化史上重要な邂逅を果たした二人の対比を再定位する成果をあげた。第二に、デューイの自然主義が哲学以上にアメリカ社会学に流れ込み、いわばその前提となっていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哲学や文学、社会学などの学問分野の分割に沿って学び、研究を進めている。そうした分野ごとに参照される固有名詞・概念・人名・手法が無意識に限定されるのも事実だ。しかし、そうした分野ごとの相対的自律性は、過去の知識人たちが生きていた頃は必ずしも自明ではなかった。本研究は、アメリカを代表する哲学者ジョン・デューイの「自然主義」という言葉と発想に影響される形で、アメリカの知的風景を「自然主義」の観点から再編成することを試みたものであり、必ずしも方法論や対象を共有していない面々が、関心や関わり方、目標を共有していたことを既存の学問地図とは異なる形で示そうとした点に、一つの社会的な意義があると思われる。
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