研究課題/領域番号 |
20K21937
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 麻里亜 早稲田大学, 會津八一記念博物館, その他(招聘研究員) (60884038)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 美術史学 / 解剖学 / 解剖図 / 骸骨 / 円山派 / 銅版画 / 美術史 / 医学史 / 蘭学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では江戸時代における医学の発展と同時代の美術の関係性に注目し、医学の進歩が美術作品の制作に如何なる影響を与えたのかという点について論じる。 これまでの医学と美術の関係についての研究では、その関係性を日本や西洋を含めた広域的観点から捉える傾向があった。また、日本美術史において医学との関わりが部分的に論じられることはあったが、それらは個々の作品の考察に留まっている。 そこで本研究では、西洋から様々な知識や書物が流入した江戸時代を中心に、医学書や解剖図について美術史学の視点から考察する。絵師たちがいつ人体や骨格の構造について知る機会を得て、それをどのように作画に活かしたのかを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
まず、解剖図・解剖書およびそれを制作した画家について整理作業を進め、そのデータをもとに、該当する作品資料の調査を実施した。その結果、それらが医師たちの手によって繰り返し写され、学術的な書籍・図版として流布していく過程を考察することができた。また、表現技法の点から、円山派の画家および銅版画家が解剖図・解剖書制作に重用されたことを明らかにすることができた。 また、18~19世紀における解剖学的関心の高まりと、同時代の骸骨図の解剖学的正確性の向上に関して、解剖図・解剖書と骸骨図の比較検討を行った。その結果、19世紀以降に盛んになった整骨や木骨制作が作画に活かされた可能性を検討することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医学の発展は、私たちの生活に深く関わる問題である。現代よりも技術や情報が大きく制限された江戸時代の日本において、医者たちがどのように医学を発展させてきたのか、そしてその過程に画家を含めた様々な人々がどのように関わっていたのかを取り上げた本研究は、現代人が日々のなかで当たり前のように享受している医学の発展に対して、改めてその重要性を認識する機会になるだろう。過去の医者たちと、それを支えた人々の弛まない努力と成果によって、現代の私たちの生活があることを意識し、今後の医学の発展に貢献できることを期待したい。
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