研究課題/領域番号 |
20K21944
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大家 かおり (柚木かおり) 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (40775045)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 現代ロシア / ポスト社会主義の文化 / ロシア人 / バラライカ / ロシア民俗音楽 / ロシア伝統文化 / ロシアフォークロア / 民俗音楽 / 伝統文化 / フォークロア / 文化政策 / ポストソ連 / ロシア |
研究開始時の研究の概要 |
ソ連/ポストソ連の制度と世代が絡み合う今日のロシアは、社会主義時代とは異なり文化全般が雑多な様相を呈している。本研究はロシアの国民的楽器として知られるバラライカの演奏文化のうち、農村文化の現在を取り上げる。ソ連の文化政策から元々抜け落ちていた当該文化は、2000年代以降、ソ連を知らない世代の愛好家たちの手により「再発見された伝統文化」としての発展を遂げてきている。その2020年代の状況を調査分析することによって、ポストソ連におけるロシア人の伝統文化の保存・変容・発展の諸相を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、ソ連崩壊後に成人した世代の手による、最近15年間の社会主義と資本主義がうまくかみ合ったロシア人の伝統文化の復興・再生産の実態を現地調査・分析したものである。 成果は、①Zoomによるロシア人奏者のインタビュー動画を各人と共同製作し、YouTubeのチャンネル「Balalaika & Cat」で日本語字幕付き(拙訳)での公開、得られた証言を基に、②日露の学会での発表および論文執筆(ロシアからの招待多し)、③12名の証言をまとめ、バラライカの歴史と旧ソ連における類似の楽器の概説を加えた一般書の日本語での出版、である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本ではロシア人の伝統文化は研究の主流ではなく、さらに①現代の文化かつ担い手が都市のアマチュア層を研究対象とし、②楽曲分析でなく、当該音楽の社会的文化的脈絡を明示するアプローチをとり、③直接対話や観察をその原典とする、文化人類学的研究となると、日露ともに研究の前例がない。 従って本研究は、学術的には日露の文化研究を補完し、深化させる突破口となりえる意義がある。また、楽器バラライカという具体的な切り口から、ロシアという国、社会、ロシア人という民族、そのアイデンティティたるものを知り、理解するためのきっかけをつかむことができるため、戦後の日露関係の再構築を見据えた研究としての社会的意義がある。
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