研究課題/領域番号 |
20K21948
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
岩田 直也 福岡大学, 人文学部, 講師 (00880858)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プラトン / アリストテレス / 分析 / 分割 / 『ソフィスト』 / 『ポリティコス』 / 『ピレボス』 / 『分析論』 / 仮設法 / 総合と分割法 |
研究開始時の研究の概要 |
今日「分析」という語は、あるものをその要素に分解して検討する方法として理解されている。しかしこの概念の起源は、古代ギリシア幾何学で用いられた、ある命題の前提を発見しその証明を構築するための方法にある。本研究は、分析概念の起源となるその「逆行的分析」から先の「分解的分析」がどのように派生したのかという西洋哲学最初期の動向を、プラトンの中期対話篇の「仮設法」(逆行的)と後期対話篇の「総合と分割法」(分解的)の関係に着目することによって、考察するものである。
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研究成果の概要 |
今日「分析」という語は、あるものをその要素に分解して検討する方法として理解されている。しかしこの概念の起源は、古代ギリシア幾何学で用いられた、ある命題の前提を発見しその証明を構築するための方法にある。本研究は、その幾何学的分析法の観点から、プラトンにおける定義探求の方法である中期対話篇の「仮設法」(逆行的)と後期対話篇の「総合と分割法」(分解的)の関連性を考察するものである。この研究により、これまで論じられてこなかったプラトンの上記二つの哲学的方法論を包括する新たな解釈を提示し、分析方法ないし分析概念の最初期の哲学的動向について明確な視点を提供した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、プラトンの「仮設法」と「総合と分割法」の比較を行い、これらが互いに密接に関係した定義探求の方法論であるという見解を提示した。これまでの研究では、これら二つの比較はほとんど行われておらず、特に幾何学的分析法の「発見」と「確証」という一対の過程がそれらの方法論の中核にあるという視点は新たな貢献と言える。また、この研究の成果は、プラトン研究に限らず、分析哲学の歴史に対しても新たな洞察をもたらすものである。分析哲学は、現代の哲学の主要な形態だが、その起源や展開についての研究はまだ十分ではない。本研究は、その最初期の歴史的展開を明らかにすることで、分析哲学の理解を深めるための一助を提供した。
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