研究課題/領域番号 |
20K21949
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 長崎外国語大学 |
研究代表者 |
新里 喜宣 長崎外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90879868)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シャーマニズム / 巫俗 / 言説 / 宗教 / 韓国 / 祈福信仰 / 宗教概念 / 崔順実ゲート / 大統領弾劾 / 韓国近現代史 / 宗教学 / 言説研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1990年代から2010年代までを対象として、韓国社会で巫俗(シャーマニズム)を文化・宗教と捉える認識がひろく共有され、それが巫俗を否定的に描く言説を抑制するようになる過程を明らかにすることを目的とする。韓国巫俗についてはこれまで人類学・民俗学の分野において研究が進められてきたが、宗教学の観点から、そして韓国近現代史の文脈から巫俗を研究する視点が乏しかった。本研究は、既存の人類学・民俗学的な巫俗研究を補完し、韓国近現代史の文脈から巫俗を理解する際の一助になるという意義を持つ。
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研究成果の概要 |
本研究は1990年代から2010年代までを中心に、韓国で巫俗に対する多様な視点が形成される過程を明らかにするものである。上記の目的のもと、主に巫俗に対する政治的な次元における言説を収集、分析する作業を行ってきた。1960年代以降、研究者の言説が巫俗の社会的位置を押し上げたことは確かだが、研究者の言説を利用し、巫俗とナショナリズムを接合させ、統治を円滑に進めようとした政治的な次元の言説も、巫俗言説の形成過程を捉える上で非常に重要である。そのため本研究では、1990年代から2010年代までを中心に、巫俗と政治とのかかわりを明らかにする作業を行ってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、韓国における巫俗の位相がより明確になったと思われる。韓国では一般的に、巫俗はまず迷信、あるいは前近代的な弊習として扱われることが多いが、同時に韓国文化の根源としても言及され、表面的には混乱した状況が発生している。報告者の研究は、これを言説の面から整理し、巫俗言説を体系的に理解しようとするものである。とりわけ本研究を通しては、政治的な次元に注目し、巫俗への肯定的な視点から、巫俗が批判される場面においても強い批判が提起され得ない構造を明らかにした。
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