研究課題/領域番号 |
20K21960
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山根 由美恵 山口大学, 教育学部, 講師 (40566725)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 村上春樹 / アダプテーション / 世界文学 / 海辺のカフカ / バーニング / ねじまき鳥クロニクル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年グローバルに活発化している村上春樹原作のアダプテーションに着目し、新たなアダプテーション研究の可能性を追求するとともに、村上文学の「日本」性および人種や国を超える普遍性の解明を目的とする。本研究では、1)舞台関係者だけが保有しており、一般には非公開であった上演台本の分析を行う点、2)アメリカ・韓国・イスラエルという文化圏が異なる翻案者(監督、演出家等)が関与するテクスト(舞台「海辺のカフカ」、舞台「ねじまき鳥クロニクル」、映画「バーニング」)を分析し、文化圏が異なる翻案者のアダプテーションが最近になってなぜ同時期に連続して発生したのか、その意味について討究する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果として、1:「村上春樹文学アダプテーション研究序説」という理論的な見通しに関する論文、 2:舞台「海辺のカフカ」論、3:漫画「螢」論、4:「ねじまき鳥クロニクル」論、5:「三つのドイツ幻想」論を発表した。加えて、映画「森の向う側」の発表を行い、2022年度に論文化する目処がたっている。このうち、2:舞台「海辺のカフカ」論を所収した『村上春樹〈物語〉の行方―サバルタン・イグザイル・トラウマ』の執筆を行い、2022年5月にひつじ書房から出版した。 全体として、当初の研究計画以上の研究成果をあげることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、グローバル規模で活発化している村上春樹原作のアダプテーション(翻案)の分析を通じ、アダプテーション研究の可能性とともに、村上文学の「日本」性および人種や国を超える普遍性について解明することである。本研究の成果は、文学の想像力が舞台・映画・漫画などメディアを変化させながら広がる過程を解明し、現代文学と文化の密接な関係とともに、村上文学の独自性であるグローバルな広がりについて言及し、現代文学・文化の意義を問うたものとなっている。
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