研究課題/領域番号 |
20K21968
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 北洋大学 (2022) 早稲田大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
陳 曦 北洋大学, 国際文化学部, 講師 (10880528)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 複合語 / 日本語 / 複数のアクセント単位 / アクセント / 発音調査 / 複合語アクセント / 聴取調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は複数のアクセント単位からなる複合語の音声的実現に関する不明点を明らかにし,その全容を捉え,さらに日本語複合語アクセント全体の体系について再検討することを目的とする。複数のアクセント単位からなる複合語の発音の音声的実現に関して,従来の研究では断片的な記述しかない。そこで,本研究は音声の産出と聴取の両方の手法を用い,複合語アクセントの音声的実現に意味関係・文脈環境がどのように影響を与えるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は複合語のアクセントを題材とし,音声の産出と聴取の両面から意味関係が音声的実現に与える影響の解明を試みた。 音声の産出の面から,例えば「名字+名前」に比べて「名字+職名」の方が後部要素のアクセントが弱められていることがわかる。このことは,非融合アクセントは単一の音声的実現ではなく,複合語の意味関係に応じていくつかのバリエーションを持つことを意味している。音声の聴取の面から,例えば「名字+職名」と「名字+名前」とでは,後部要素が弱められない場合の音声の自然度が異なる。このことから,非融合アクセントの複合語は,複合語の意味関係によって自然な音声的実現の範囲が異なることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数のアクセント単位からなる複合語の音声的実現に関して,従来の研究では断片的な記述しかない。本研究は従来取り上げられることのなかった文中における複数のアクセント単位からなる複合語に焦点を当てた。手法として発音調査の音響分析と合成音声の聴取実験を併用した点も本研究の特徴の1つである。本研究によって,日本語における複数のアクセント単位からなる複合語は単一の音声的実現ではなく,複合語の意味関係に応じていくつかのバリエーションを持つことが明らかになった。この成果は日本語複合語のアクセント研究に新たな知見を提供することになる。
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