研究課題/領域番号 |
20K21974
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小田 芳寿 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (10883829)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 令制に対応していない国 / 宮(離宮)と特別行政区 / 和泉国と和泉監の相違 / 中央官制と地方官制 / 和泉国 / 吉野国 / 難波国 / 中央官制による事業 / 難波の行政体制 / 難波の内と外 / 和泉国管下の和泉監 / 正倉院文書に見える難波国 / 正倉院文書において難波国と記された年代 / 中央官職による地方の掌握 / 日本上代文学 / 日本上代文学史 / 続日本紀 / 木簡 / 正税帳 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の研究の概要は、日本上代文学史料に見える行政区画外の「国」の考察である。これには、歌われる(やまと歌としての)行政区画外の「国」と、律令制下の状況を記す、漢文(非日本語文)としての行政区画外の「国」に分けられる。 そこで、やまと歌としての行政区画外の「国」の考察と、漢文としての行政区画外の「国」の考察、それぞれに、あらゆる方法を取り入れた複合的観点をもって分析する。これにより、行政区画外の「国」の構造と性質を立体的に把握することができ、新しい見解を導きだすことができると考えている。こうした研究は、古代日本の地域区分の際にできた、畿内の「国」の社会的構造を明らかにすることに繋がる。
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研究成果の概要 |
申請者の研究は、日本上代文学史料に見える行政区画外の「国」の考察であった。本来、「国」ではないにもかかわらず、「国」として表現される理由を考えた。行政区画外の「国」該当するものに、「和泉国」、「吉野国(芳野国)」、「難波国」があげられる。これらの地域に共通することは、宮(離宮)が建てられていたということである。さらに、その宮と周辺地域を監理する特別行政機関、「監」(「和泉監」、吉野監」)や「職」(摂津職)が配置され、特別行政区になる。そしてその管理地域が「国」と同等の機能を持つようになった。その地域に関する国家的事業やそれに類する内容が行われる時に、「国」として表現されたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者の研究は、従来、日本史学や考古学等からの試みが主流であった。これらの試みも重要であるものの、上代文学作品に、行政区画外の「国」が存在する以上、文学からのアプローチも重要である。いわば、複合的な研究視座が必要になる。学術的意義はここにある。 また、本研究では、行政区画外の「国」の社会的構造を考えた。古代日本では、都を座標軸の原点と定め、同心円状に区分されていく。都に近い畿内が、情報伝達、軍事防衛等のあらゆる点で重要な機能を担っていたといえる。その畿内に行政区画外の「国」が存在した。畿内の重要性を考えることは、中央官制と地方官制の差異を考えるうえで意義は少ない。
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