研究課題/領域番号 |
20K21976
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
高橋 諒 天理大学, 図書館, 司書研究員 (50880233)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | うつほ物語 / 前田本系統 / 伝本 / 本文 / 『うつほ物語』 / 中古文学 / 文献学 / 本文校訂 |
研究開始時の研究の概要 |
平安中期に成る『うつほ物語』は、主人公仲忠を中心とする秘琴伝授の音楽物語を大枠として、あて宮求婚譚、立太子争いの物語を織り込む現存最古の長編物語である。現存諸本は中世末期を遡らず、古写本に恵まれていない状況にある。 本研究は、『うつほ物語』諸本のうち、最有力系統に位置づけられながら、十全たる検証がなされてこなかった前田本系統に関し、中近世にかけての日記等を含む記録類や蔵書目録を利用して、その伝流を明らかにすることを目指す。 具体的には、(A)『うつほ物語』に関連する記録類・蔵書目録の調査・整理、(B)前田本系統諸本の校本データの作成・本文批判・分析・考察の2点を主たる方法として明らかにする。
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研究成果の概要 |
『うつほ物語』の現存諸本のうち、最有力伝本である前田本と、その本文系統である前田本系統の伝本、そして同系統の来歴を伝える関係諸資料を博捜し、悉皆調査および紙焼写真の収集を行った。その上で、同系統諸本の本文を比較・対照できるように、各伝本の翻刻や校本データ作成を行った。これにより、従来等し並みに捉えられてきた前田本系統が実は三種に類別されることが判明した。また、各類の本文の性質およびその書承関係が把握できたことで、『うつほ物語』の本文成立史の一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『うつほ物語』の本文成立史の一端が明らかになったことで、これまで注釈者によって判断が分かれていて解決をみていなかった、底本や対校本の選定や、本文校訂の方法などを見定められる。これによって、『うつほ物語』の本文を校訂し、読解に堪えうる本文の提供が可能となる。
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