研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、デジタル人文学による歴史研究のさらなる発展に貢献すべく、財務記録史料データの分析手法を歴史研究者が活用できる基盤をつくる。近年、複雑な体系をもつ財務記録史料を機械可読形式のデータとして構造化する方法論が世界的に議論されているが、そのデータを分析して歴史学の新しい知見を得ようとする取り組みは少ない。この要因に、誰でも簡単に使用できる分析ツールが開発されていないことがある。本研究は、高度な情報処理技術を要しない財務記録史料データの分析ツールを開発し、これを実際に用いた成果を示すことでその有用性を証明する。さらに、関連する研究者の需要を調査し、汎用性の高い分析ツールを作成する基礎を築く。
本研究の目的は、デジタル人文学による歴史研究のさらなる発展に貢献すべく財務記録史料データの分析手法を歴史研究者がひろく活用できる基盤をつくることである。近年デジタル人文学分野では、複雑な体系をもつ財務記録史料をコンピュータで処理しやすい形式の構造化データとして作成する方法論DEPCHAの可能性が国際的に議論されている。しかし、データ作成に向けた議論が進む一方で、そのデータを分析して歴史学の新しい知見を得ようとする取り組みは少ない。そこで本研究では、プログラミング等の技術を要しない財務記録史料データの分析ツールを開発し、これを実際に用いた成果を示してその有用性を事例研究から検討した。
DEPCHAは、経済史・経営史研究を加速させ得るデータ作成手法だが、そのデータを処理する方法は個々の研究者に委ねられており、誰でも汎用的に使える分析手法はまだ確立されていない。そこで本研究は、プログラミング等の技術を要しない財務記録史料データの分析ツールを開発し、これを実際に用いた成果を示してその有用性をいくつかの事例研究から検討した。具体的には、古代日本史・近世スペイン史・近代イギリス史における帳簿型史料のデータ分析を行い、国内外の学会や研究文献にて成果を発表した。これにより本研究は、データ分析ツールの構築という手法の活用を通じ、経済史・経営史をはじめとする歴史研究の新たな方法論を提起した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (2件)
じんもんこん2020論文集
巻: 2020 ページ: 53-60
170000183910
西洋史学
巻: 270 ページ: 97-101
40022509886
https://naoki-kokaze.github.io/earlyModernSpanishLedger/
https://gams.uni-graz.at/context:depcha