研究課題/領域番号 |
20K21989
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 沖縄国際大学 (2022) 白鴎大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
萩埜 亮 沖縄国際大学, 総合文化学部, 講師 (60887925)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ハーレム・ルネサンス / 批判的即興研究 / Zora Neale Hurston / Claude McKay / Alain Locke / 即興 / 黒人文学 / モダニズム / アレイン・ロック / ゾラ・ニール・ハーストン / クロード・マッケイ / ジャズ / 黒人文化 / 批評的即興研究 / アメリカ黒人文学 / Cultural Pluralism / Pragmatism / Alain locke / Improvisation / Banjo / Michel de Certeau / Theodore Adorno / 20世紀アメリカ文学 / アフリカ系アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
Claude McKay、Zora Neale Hurston、Alain Lockeを中心とするハーレム・ルネサンスの黒人作家における「即興」(improvisation)への関心が、同時代の抑圧的イデオロギーに抗おうとする彼らの詩学と政治思想の発展とどのように結びついているのかを検討する。批評的即興研究が明らかにする即興の政治的・社会的機能やその哲学的な意義を参照して、これまで黒人文化の伝統の枠内で論じられてきた傾向にある即興芸術のアメリカ黒人作家への影響を、20世紀初頭のモダニズムの広がりやアメリカにおける文化多元主義を始めとする政治的論争と深く関係するものとして考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ハーレム・ルネサンス期の黒人作家・思想家であるClaude McKay、Zora Neale Hurston、Alain Lockeについて、文化と即興の観点から新たな知見を得ることができた。Lockeは即興性が黒人文化の正統性を担保すると主張しつつも、形式の支配下に置かれるべきだと考えていた。一方、Hurstonは黒人文化の即興性が西洋の美的伝統とは異なる美学によって成立していると強調した。McKayはディアスポラの状況下で黒人文化が商業主義と結びつき、即興的に生成されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、批判的即興研究(Critical Studies of Improvisation)と呼ばれる学際的な研究分野によって、即興は芸術のみならず人間の創造的な営みや社会活動のあらゆる側面において重要な理念であり実践であると論じられてきた。本研究は批評的即興研究の成果を踏まえ、即興を黒人文化の伝統の枠内に留まる現象としてではなく、20世紀初頭のモダニズムの広がりやアメリカにおける文化多元主義をはじめとする社会文化的な議論に関係する概念として提示した上で、ハーレム・ルネサンス期の文学者が即興についてどのように論じたのか、それらが彼らの言説においてどのような役割を果たしたのかを明らかにする。
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