研究課題/領域番号 |
20K21992
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
金田 迪子 実践女子大学, 文学部, 助教 (30876941)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 英米文学 / 現代演劇 / イギリス演劇 / キャリル・チャーチル / ハロルド・ピンター / ハワード・ブレントン / ユーゴスラヴィア空爆 / ポスト冷戦期 / 反戦運動 / デヴィッド・ヘアー / ユーゴ空爆 / グローバリゼーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では現代イギリスの劇作家Caryl Churchill(1938-)の後期作品とユーゴスラヴィア空爆反対運動との連関を調査し、チャーチルの作品をグローバル化の文脈に位置づける。1990年代末にNATOが国際社会の承認を待たずに行ったユーゴ空爆及びそれに対する反対運動は、アメリカの単独主義的な軍事介入、ブレア政権下のイギリスの追従、倫理的な戦争というレトリック等、グローバル化以降のイギリス社会をめぐる重要な問題群を孕んでいる。本研究ではチャーチルと運動の関係に着目し、文献調査と海外調査を通してその実態を理論・実践の両面から検討した上で、作品とグローバル化した社会の問題の連関を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、現代イギリスの劇作家とユーゴスラヴィア空爆反対運動との連関を調査した上で、Far Away(2000)を中心とするCaryl Churchill(1938-)の後期作品のグローバルな文脈における位置づけを検証した。本研究を通して、チャーチルの後期作品の内に、ユーゴスラヴィア空爆反対運動をめぐる言説や表象における、アメリカの単独主義的な軍事介入、ブレア政権下のイギリスの追従、倫理的な戦争というレトリック等、グローバル化以降のイギリス社会をめぐる問題群との関連を持つ要素が含まれていることを確認し、チャーチルの作品と市民運動との言説・表象を通した関わりを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、チャーチルおよび同時代のイギリスの劇作家の作品と作家の市民運動への参加の実態を調査することで、現代イギリス演劇の展開において、ポスト冷戦期における政治的変動とそれに呼応する市民運動を、作品分析における参照項として扱う研究の可能性を検討することができた。また、冷戦終結以降のグローバルな社会を象徴するユーゴスラヴィア紛争に対して、同時代のイギリスにおける文学・文化がどのような形で応答を行なっていたかについて、特にユーゴスラヴィア空爆反対運動という実践に関心を限定し、詳細を明らかにすることで、現代イギリス文学・文化研究に新たな着目点を投じ、分野の射程の拡大の一環に貢献した。
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