研究課題/領域番号 |
20K21995
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川大学 (2023) 玉川大学 (2021-2022) 東洋大学 (2020) |
研究代表者 |
源 邦彦 神奈川大学, 外国語学部, 助教 (10875587)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 人種階層化された資本主義世界システム / 資本主義的搾取、抑圧と科学 / 言語学、社会言語学と人種主義 / 言語学、社会言語学の社会学的再考 / 言語学、社会言語学の再構築 / 言語計画論の再構築 / ネオコロニアリズム / コンクエスト・ダイグロシア / 言語計画の構成要素としての言語学 / 分析概念としての人種 / 労働者階級・アンダークラスのための言語計画 / 言語教育・教育言語政策 / 政策決定過程 / 言語態度 / 二言語使用教育関連資料 / ジャマイカ語開発・普及関連資料 / 関係者のライフストーリー / 経済的搾取・抑圧 / 人種主義 / 科学 / 言語学 / 社会学 / 二言語使用教育プロジェクト / 批判的言語学 / bilingual education / language planning / Jamaican Creole / Jamaican / English |
研究開始時の研究の概要 |
ジャマイカでは、英語のみを教育言語とする教育にとって代わり、大多数のジャマイカ人の第一言語であるジャマイカ語―言語学通称「ジャマイカ・クレオール語」、一般通称「パトワ(Patois)」―を加えた二言語使用教育を採用するよう働きかける草の根運動が長年存在する。本研究では、この民衆運動のプロセス―運動家と政府との交渉プロセス―を意思決定の観点から記述、知識社会学、批判的人種論の観点から既存の学問体系を再検討する。この研究を通し、徐々にではあるが移民社会の様相を呈し、また、ジャマイカ同様に非主流言語に対しては草の根運動が主体の、日本社会に求められる多文化共生の在り方についても一石を投じたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、研究テーマを数回にわたり変更することになったが、最終的には、(1)ヒューバート・デボニッシュによる言語計画、(2)教育省の言語計画、の2つの関連する研究調査を実施した。デボニッシュによる言語計画については、2022年2月から2024年2月まで合計5回の深層インタビューを実施し、十分なデータを収集できた。現在は5名の研究者からのレビューコメントをもとに論文を推敲中である。教育省の言語計画については、ジャマイカ語の地位を公的に認める政策案の意思決定過程に深く関与してきた教育省官僚3名に匿名インタビューを実施した。匿名であるため非公表のものも含め貴重なデータを入手できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、言語学の社会構築性に関する再検討を促し、言語学者がこれまで主張してきた記述主義の意味を再考する契機を提供することになる。言語学者が執り行う言語学的行為のイデオロギー性、政治性、恣意性を振り返ることで、言語学者自身が今後どのように社会貢献できるのかを再考する機会となってほしい。また、一般社会においても同様の再考を促したい。言語学者の科学的ディスコースへと昇華された一般社会の認識は、特定の集団のことばを差別的なカテゴリーへと分類することを合理化し、その結果、当該集団が自身の言語使用を根拠にいかに集団的な人権侵害や人種差別に苦しめられているかを考える機会を提供したい。
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