研究課題/領域番号 |
20K21997
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 (2021) 日本女子大学 (2020) |
研究代表者 |
中野 顕正 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (10882813)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 能楽・謡曲 / 寺社縁起 / 宗教文学 / 當麻曼陀羅(当麻曼陀羅、當麻曼荼羅、当麻曼荼羅) / 中将姫 / 志度寺縁起 / 海士 / 東国下 / 能・謡曲 / 當麻曼陀羅 / 能楽 / 当麻曼荼羅(当麻曼陀羅) / 当麻 / 謡曲 / 宗教的基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本中世の宗教言説、特に寺社縁起との比較に基づき、能の作品読解を行うものである。具体的には、草創期~大成期(世阿弥世代まで)の能のうち寺社縁起を題材とする作品を対象とし、各縁起の成立・展開史の中での能の位置を明らかにするとともに、それら典拠縁起に基づいて能が構築される際にいかなる操作がなされているかに着目することで、典拠から能が構築されてゆく原理を解明する。それにより、能作という営為のもっていた意義を解明し、日本における演劇の成立という問題を考えるための端緒を拓きたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、寺社縁起を題材とする能の作品につき、縁起説話の成立・展開史の中での能の位置を明らかにし、それら典拠縁起から能が構築される際の方法の解明を目指したものである。中でも、寺社縁起・宗教文学との関わりの深い黎明期・大成期の能を中心とし、奈良県 當麻寺の本尊「當麻曼陀羅図」の感得縁起を題材とする能《雲雀山》《當麻》、および香川県 志度寺の創建縁起を題材とする能《海士》について、特に検討した。その中で、これらの作品のもつ縁起展開史上の位置や、縁起の物語内容を換骨奪胎することでこれらの作品がいかなる意図のもとに構築されたのかを、明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本中世の宗教文学は、特定の寺院・神社や宗教宗派をめぐる物語として成立した後、芸能・絵画などの領域に取り入れられ、いわばメディアミックスされることによって、その物語は中世後期から近世頃になると広く人口に膾炙し、〈共同体の記憶〉〈共同体の物語〉としての地位を獲得するに至る。そうした、中世の宗教文学が広く社会に流布する上で、特に重要な役割を果たしたのが能楽(謡曲)であったと考えられる。本研究では、この能楽を軸とする形で、中世的な宗教文学の世界が人口に膾炙していった過程を明らかにしたものである。
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