研究課題/領域番号 |
20K22003
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
二藤 拓人 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (00878324)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アフォリズム / 断片・断章 / ドイツ・ロマン主義 / シュレーゲル / 手稿・草稿 / 文化技術論 / メディア論 / 編集文献学 / 伝統 / 革新 / 草稿 / 啓蒙主義 / 出版・編集史 / 文化学 / 手稿 / ドイツ近代 / ロマン主義 / 手稿研究 |
研究開始時の研究の概要 |
近現代における「アフォリズム」は、これまで思想と文学の双方の領域で、学問制度の外側に属する革新的な作家が、自らの哲学思考に基づき選択した一表現形式とみなされてきた。それに対して本研究は、作家個人の哲学思考そのものが〈アフォリズムを書く〉という具体的作業を通じてはじめて成立しえたという独自の着眼点から、18世紀ドイツ近代におけるアフォリズムの生成過程と当時の書記実践に関する実態調査を行う。そのために、啓蒙期から初期ロマン派の代表的なアフォリズム作家のテクストを、それが成立した現場に差し戻し、手稿の複写資料を手掛かりに、そこに作用するメディア文化的背景や文化技術上の諸条件を可能な限り再構成する。
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研究成果の概要 |
啓蒙期からロマン派に至る作家(レッシング、A・フンボルト、F・シュレーゲル、ヘルダーリン他)の手稿を調査した。そこで頻繁にみられる、広い余白をもつ「二段構成型ノート」が、18世紀の学者階層に典型的な「文化技術」であったという仮説を立て、このノート紙面の余白への書き込みと、アフォリズム産出との密接な関連を例証する成果を出した。 個別に焦点を当てたロマン派シュレーゲルのノートの場合は、欄外余白での注釈・批判が顕著であった。彼のアフォリズム的な筆記は、こうした古典文献学の〈伝統的な〉書記実践に基づくが、その一方で、そこから逸脱するような〈革新的な〉アフォリズム産出の局面も明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近代アフォリズムを文化研究の枠組みから総合的に捉え直すことで、新たな研究領域開拓の可能性を探るものであった。具体的には、Siegert(2013)の「文化技術」論を基軸に、〈アフォリズム的なもの〉が成立するメディア的・文化的条件を問い直した。とりわけ国内シンポジウムや国際学会、国際論集において、アフォリズムのテーマ圏に「書記」の文化―更にその細部をなすノートの構成―あるいは遺稿の「編集」の歴史という側面から新たに光を当てたことは、本研究の学術的意義を示す成果といえる。 また、本研究の社会的貢献の面に関して、筑波大学主催の招待講演会にて研究成果のアウトリーチ活動の機会にも恵まれた。
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