研究課題/領域番号 |
20K22011
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小塩 慶 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80880765)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 時代認識 / 聖代 / 祥瑞 / 古記録 / 説話 |
研究開始時の研究の概要 |
古記録や史論書には、上古・中古・近代といった語が見られるが、こうした時代観はいかにして形成されたのであろうか。この背景を探るためには、日記を中心とした史料群から各時代が後世どのように捉えられたかを検出し、時代や人ごとの時代観の揺れを相対化していく作業が必要となる。また詳細な個人の記録が残り始める10世紀以降は、「延喜・天暦聖代」という価値観が形成され定着していく時代でもある。日本が自国の中に規範を見出す過程を明らかにすることも、本研究の目指すところである。
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研究成果の概要 |
「延喜・天暦聖代」という語があるように、平安貴族は特定の時代を規範とすることがあった。従来の日本史学では特に「延喜・天暦」「聖代」という語に注目して研究が進められてきたが、「聖代」という語が直接記されない事例や「延喜・天暦」以外の聖代についての研究は遅れがちである。本研究では、古記録によって先例のデータを収集し、どのような時代が規範となるかの傾向をさぐり、また歴史物語や説話集において語られる聖代との相違についても検討した。またその調査の中で、先行研究の少ない摂関期以降の祥瑞についての記事も収集し、その実態の解明を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
延喜・天暦という時代は、時代によって評価の揺れを伴いながらも、近代にいたるまで日本における模範として仰がれた特異な時代である。その実態が必ずしも「聖代」とはいえないものであったことや、聖代視された要因についてなど、先行研究では様々な観点から検討が加えられている。しかし、聖代と称されたほかの時代との違いや、そもそもなぜ聖代たり得たのかなど、なお明らかでない点も多い。本研究では、特定の時代がやがて実態を離れて虚実交えながら賛美の対象となっていく、その過程の解明を目指すが、これは今日的問題にも通ずるテーマであるといえよう。
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