研究課題/領域番号 |
20K22013
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
大鳥 由香子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90882316)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 子ども / パスポート / 越境 / 移民 / 移住 / 移民規制 / 児童福祉 / 難民保護 / 法制史 / 法文化 / 難民 / 児童保護 / ビザ / 移民法 / 公衆衛生 / 年齢 / 子どもの法的地位 / 児童労働 / 帰化法 / 市民権 / 国際機関 / 女性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は第一次世界大戦後の世界における、国際的な児童保護、難民保護、そしてパスポート制度の接点を辿るものである。第一次大戦から大戦後の時代には、国際的な児童保護や難民保護への関心が高まった。一方、欧米各国ではパスポート制度の導入が進み、大戦後に設立された国際連盟はパスポートの国際的な規格化を推進した。しかし、全ての人々がパスポートをはじめとする身元証明書の類を有していたわけではない。本研究では、こうした点を踏まえ、主に1920年代において、子どもの越境がどのように規制されたのか、あるいはされなかったのかを考察する。
|
研究成果の概要 |
本研究の成果として、19世紀末から1920年代のアメリカ合衆国への子どもの移民をめぐる法と行政の展開を論じた博士論文(Disposable Subjects: Law and Child Migration to the United States, 1890s-1920s)を完成させることができた。この論文はハーバード大学大学院歴史学研究科に提出され、国際的にも高い評価を受けた。また、博士論文の第一章は日本語の雑誌論文として書き直したものが、査読付き論文として出版された。このほかにも、博士論文の英文単著としての刊行に向けたさまざまな準備を進め、国際学会へも招聘された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、子ども史の視点から、移民規制と難民保護の展開について考察を深めた点が挙げられる。これまでの移民史研究では、特に米国を対象とした場合、人種やエスニシティを中心とする分析が中心であり、主に成人男女の事例から歴史叙述が行われてきた。また、パスポートやビザなどの国境で行われる文書手続きは、規制の手段としてはあまり検討されてこなかった。本研究の特徴としては、子どもとパスポート制度に注目した点が挙げられる。特に、国際的なパスポート制度や米国のビザ制度がどのように形作られたのかを問い、さらに子どもへの影響を論じたことは、現在の移民問題や難民問題を検討する上でも重要な視点をもたらすだろう。
|