研究課題/領域番号 |
20K22017
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
都留 俊太郎 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (00871401)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 台湾史 / 環境史 / 在来技術 / 水利 / 植民地 / 農業 / 技術移転 / 台湾 / 風車 / 交通 / 技術 / 環境 / 技術史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本植民地期の技術移転を台湾農民がいかに経験し、さらに農業技術をどのように自らのニーズに合わせて利用・創作したか検討する。従来の日本帝国・台湾経済史研究では、日本政府・企業が技術移転において果たす役割が強調され、植民地社会はもっぱら技術の受容者・客体として位置づけられてきた。しかし、近年の技術史研究の成果をふまえれば、植民地社会の人びとの主体的契機を、技術をめぐる経験・利用・創作のフェイズにおいて考察できるはずである。これを台中州北斗郡の事例について社会史的アプローチから検討する。研究方法は、在来言語(台湾語)を活用したインタビュー調査と文献史料の分析である。
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研究成果の概要 |
植民地期台湾農村における農業技術の社会史の全体像について見通しを得た。従来の日本植民地研究が日本帝国の中心から植民地への技術移転の過程を跡づけるにとどまっていたのに対して、移転先における利用者の経験を問い、その創造的営みの重要性を指摘した。特に、在来技術の利用、新技術の創作、農家間での技術のシェアリングなどの論点を指摘することができた。検討にあたっては、文献資料のみならず、在来言語である台湾語を利用したインタビューを積極的に利用し、新たな研究方法論の構築を試みることができた。加えて、以上の研究成果を日本語のみならず、中国語・英語の査読付ジャーナルで発信できたことも重要な成果といえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発途上国の技術水準は、先進国の政府・企業が推進した技術移転事業によって大幅に上昇したとされている。本研究では、日本帝国統治下の台湾農村と農業技術の移転を対象とし、歴史学のアプローチをもって、そのような技術移転・普及論の再検証を行った。日本の内地のみならず、他の帝国植民地から台湾への技術移転の重要性が明らかになった。また、台湾農家による創造的な実践の重要性が明らかになり、特に在来技術の利用、新技術の創作、技術のシェアリングなどの論点が浮かび上がった。さらに、文献資料の検討のみならず、在来言語である台湾語によるインタビューを積極的に実施し、新たな研究方法論の構築を試みることができた。
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