研究課題/領域番号 |
20K22018
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 陽 京都大学, 大学文書館, 特定助教 (10882615)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 電子記録 / 電子文書 / アーカイブズ / 長期保存 / デジタル / 保管の連鎖 / 信用価値 / 真正性 / DX / AI / 信頼性 / 検索システム / Access to Memory / デジタルアーカイブ / アーカイブズ学 / 古文書学 / 記録管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、電子文書の保存を研究する国際プロジェクトであるインターパレスの学術的成果を導入し、その永久保存を実現するためのシステムを開発・検証し、日本型の電子文書保存基盤を創生することである。従来の研究に欠けていた国際的な視点を考慮し、インターパレスの影響を受けた複数のアプリケーションを組み合わせ、実体のない電子文書の証拠性の担保に必要となるメタデータを保存文書と併存させるシステムを構築する。このシステムを日本の状況に適応させる条件を、古文書学など史料学の研究史を踏まえ分析する。本研究により、日本の電子文書を将来の歴史研究者が一次史料として活用できるための基盤を創生することを目指す。
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研究成果の概要 |
日本の電子文書を長期的に保存する基盤を創生するのに、保管の連鎖を実行できるシステムをどう組み上げるかについて研究を進めた。保管の連鎖とは、電子記録の「作成システム」、「維持管理システム」および「永続保存システム」が互いに連動することで実現できる。ここでいう記録とは、業務活動の中で授受され、その後の利用や参照のために取り置いた文書を指し、業務活動との関連性の深さから、証拠としての信用価値を持つ。本研究において、電子記録を保管の連鎖の中で生み出し、長期的に保存する方法を、実際に存在するアプリケーションを利用しながら明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デジタル庁の開設に象徴されるように、日本国全体でデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation、DX)が進められつつある。DXの対象には電子文書の作成と保管方法の刷新も含まれるが、主に業務効率化の視点から捉えられており、証拠としての信用価値が脆弱化する点については関心が薄い。この問題については、電子署名やブロックチェーンによって解決されるという考えがあるものの、電子署名自体が長期保存を阻む要因ともなりうること、ブロックチェーンが適用される電子記録は限られていることが知られていない。本研究では、むしろ海外では一般的な保管の連鎖の考えを伝えた点で意義が認められる。
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