研究課題/領域番号 |
20K22024
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 (2023) 九州大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
蒋 允杰 学習院大学, 付置研究所, 助教 (70886530)
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研究期間 (年度) |
2023-02-26 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 植民地 / 総督府 / 台湾 / 政商 / 朝鮮 / 移住 / 産業開発 / 明治日本 / 近代化 / 製革業 / 植民地支配 / 開発政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本帝国による海外植民地支配の展開とその性格を明らかにするものである。これまで日本の植民地に関する多数の研究成果があるが、台湾と朝鮮を同時に視野に入れた上で、帝国経営全体の観点から植民地史を実証的に把握したものが多いとは言い難い。 そこで植民地初期における台湾総督府の官僚組織と日本人資本家の関係性に焦点を当てる。彼らが協力関係を結び、支配当初から台湾の開発政策を計画・推進した過程により、日本帝国の植民地支配政策の理解を深めていく。さらに、こうした政策実行の形態が、後に植民地朝鮮にまで移植される連続的な側面も把握する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、令和3年度の11月より中断していた研究を再開した。国内外における最新研究動向の把握や先行研究の整理に重点を置き、活動を行なった。また、コロナ禍で遂行できなかった台湾での現地調査を含め、様々な地域から関連資料を収集した。
1.2023年8月に約10日間、台湾の台北周辺及び高雄にて資料調査を行なった。とりわけ新北市立図書館と中央研究院人文社会図書館では、植民地初期の台湾総督府による専売制度の確立や各地域による塩輸出の実態など、植民地台湾の産業経済に関わる行政資料を閲覧、収集することができた。 2.本研究課題に関連し、11月24~25日の間には台湾・台北大学海山学研究中心の招待を受け、「傳承與創發:王世慶先生與臺灣史研究」國際學術研討會に参加した。同シンポジウムにて、「日本人企業家の植民地経験:賀田金三郎の台湾・朝鮮活動を手がかりに」というテーマで発表するとともに、台湾近代史の研究者と今後の交流について意見交換を行なった。今回発表したテーマは令和6年度に台北大学海山学研究中心が刊行する大会記念論文集へ掲載予定である。 3.2024年3月には、日本人の海外移民を幅広く把握する一環として、和歌山県和歌山市にて資料調査を行なった。和歌山県立文書館においては主に行政資料及び移民資料について調査を行なった。また、和歌山市民図書館においては移民資料室が所蔵する人物関連資料、とりわけ明治期に北米漁業移民を主導した地域民たちの経歴と生活実態について閲覧した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は主に数回の現地調査を通じてこれまで把握できなかった新たな資料を発見することができた。とはいえ、依然として一次史料となるものは数少なく、調査結果の論文化もやや遅れている状況である。実証のための資料収集活動にはより積極的に取り組む必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
・九州・中国・四国における郷土資料や行政文書、地域新聞の収集、その解読と分析に尽力する予定である。 ・台湾の研究者と常に連絡を取り合い、共同研究や現地調査のためのアドバイスをもらう。 ・日本・台湾・韓国の近代史関連学会にて研究発表を積極的に行う。
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