研究課題/領域番号 |
20K22027
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
梅原 秀元 立教大学, 文学部, 特任准教授 (00840117)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | ドイツ近現代史 / 第一世界大戦史 / 病院史 / 建築史 / 戦争の社会史 / バラック / 第一次世界大戦 / 野戦病院 / 仮設建造物 / 医学史 / 軍事史 / 第一次世界大戦の歴史 / 空間論 / 軍事物資・技術の民間転用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、19・20世紀のドイツにおける木造仮設建造物(バラック)を例に、欧州における仮設建造物の歴史を明らかにすることを目的としている。とくに、軍の野戦病院や植民地における臨時病院などで利用されたバラックに焦点をあて、それを誰が製造し、どのように使われたのか、どのような目的で使われたのかといった点を明らかにする。 さらに、バラックが軍事や植民地以外の民間の目的に使われたかどうかについても検証し、軍のために使われたものが民間利用された例としても研究する。 ドイツのバラックの研究で蓄積された知見を基に、他の地域の様々な仮設建造物の歴史の比較研究を行い、仮設建造物への理解を深めることに貢献したい。
|
研究成果の概要 |
新型コロナの影響で史料調査の時期が大幅に遅れ、調査を1回しかできず、負の影響を受けた。 その中でも、2022年度のフライブルク市および同市があるバーデン地方での史料調査から、第一次世界大戦期のドイツで木造バラックが、野戦病院、倉庫や兵舎など様々な用途で利用されていたことを確認した。次に、戦後、バラックが廃棄、売却、別目的での再利用されていたことも確認し、そうしたことは第二次世界大戦後でもフライブルク市の例からうかがえた。さらに第一次大戦当時のドイツ軍が採用していたバラックメーカーについての史資料も収集でき、木造バラックについて経済史的な観点から研究するための起点も作ることもできた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦争や災害時に設置される仮設建造物の歴史を、第一次世界大戦期のドイツの一都市と一地方における木造仮設建造物(バラック)を例に調査するもので、これをテーマにした研究はこれまでなく、研究上の空白を埋めている。バラック設置の背景、用途、利用、使用後の処理・処分について直接・間接に関係する史資料調査を通じて、バラック自体の歴史とともにバラックを通じた対象時期・地域の歴史研究に寄与できる。さらに、現代の仮設建造物と、それが設置されざるを得ない状況がもつ問題点について考える場を歴史的事例から提供するという現在の社会にとっての意義もある。
|