研究課題/領域番号 |
20K22029
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
中川 朋美 南山大学, 人類学研究所, 嘱託講師 (00882606)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 暴力 / 古人骨 / 武器 / 受傷人骨 / 儀礼的行為 / 弥生時代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、暴力の社会的影響を検討するために、特に集団的暴力が始まったとされる弥生時代に着目して、集団的暴力と儀礼的行為の関係性を定量的に明らかにする。まず、儀礼的行為(「首狩り」行為・複数回受傷・武器副葬・埋納行為)を対象に、例えば武器副葬では何をどの程度副葬するのかなどについて、儀礼的行為の時空間的な類似度を分析する。次に、集団的暴力の時空間的な変動を検討する。最後に、これらの分析結果を照合・検討し、集団的暴力の増加と、暴力に関わる儀礼的行為を通して、集団の結束がどれほど進んだのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、弥生時代における、集団的暴力と社会的行為の一つである儀礼的行為の関係性を明らかにすることを目的としている。具体的には、特定のタイプの受傷人骨を集団的暴力の指標とする。また、儀礼的行為を測る指標として、儀礼的暴力に相当する受傷事例、暴力に関わる儀礼的行為の側面をもつモノとして武器の副葬・埋納事例を対象とする。こうした儀礼的行為の特徴の類似度や時空間的分布を、集団的暴力の分布と照合する。 結果、特に弥生時代中期の北部九州においては、集団的暴力と社会的変化が連動する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集団的暴力は社会にどのような影響(帰結)をもたらすのか。これは考古学だけでなく様々な分野で重要な課題であり、また現代の課題でもある。これまで考古学では、集団的な暴力については、生成要因や助長要因が主に議論されてきた。暴力の帰結について、考古学的研究は仮説にとどまっている。こうした暴力の帰結を時空間的に検討することで、集団的暴力の一連の流れについて理解を深めるとともに、他分野の研究結果とも照合し議論を深めることができると考える。
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