研究課題/領域番号 |
20K22035
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 (2022) 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
木村 理 岡山大学, 文明動態学研究所, 助教 (10881485)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 埴輪 / 生産 / SfM / 王権中枢古墳群 / 同工品分析 / 円筒埴輪 / 古墳時代中期 / 編年 / 系統 / 古墳時代 / 埴輪生産 / 労働力編成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古墳造営の一端を担う埴輪生産の分析を通じて、巨大前方後円墳と中小規模古墳の古墳造営時における労働力編成の質差復元を試み、そこから5世紀の有力者間の階層性を考究するものである。 そのために埴輪工人や使用工具の同定、3次元計測など文化財科学をとり入れた分析を実施し、巨大前方後円墳、中小規模古墳それぞれに関係した工人集団の編成方法や、円筒埴輪と形象埴輪の分業体制の実態を明らかにする。さらに、古墳間での製品や工人の動きを追跡して中小規模古墳の、巨大前方後円墳の埴輪生産への組み込まれ方、およびその際に設けられる集団編成方法の質的差異を明らかにし、労働力動員という観点から有力者の関係性に迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、埴輪の生産体制分析の成果を取り入れて、まず系統差やサイズ差なども考慮した編年案を整備した。その中で、近年の調査で出土した資料も含めて悉皆的な調査を実施し、データに基づく編年案を提示した。 他方、2点目として、王権中枢部の中小規模古墳を対象に、ハケメ同定や同工品分析を実施し、工人集団の編成方法を復元した。その結果、器種別分業の具体像やその変遷、あるいは大型前方後円墳を中心とした拠点的生産の中での中小規模古墳の組み込まれ方などについて、多くの所見を得た。さらに、周辺地域についても三島地域や西摂地域、大和盆地南部を対象とした分析をおこない、王権中枢部の集団編成方法と比較検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において復元された埴輪工人集団の編成方法、およびその経時的な変遷や地域別の様相差は、古墳時代研究の重要課題である労働力編成方法や大型古墳と中・小型古墳との格差、中心周辺関係の質的格差について具体的に明らかにするものである。また、「部民制」などの形で文献史学の成果とも総合することで、学際的な観点から古墳時代史を復元することが可能となった。
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