研究課題/領域番号 |
20K22039
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 (2022) 東京外国語大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
村橋 勲 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教 (00882333)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 家(home) / 物質性(materiality) / 年齢世代交代 / 難民キャンプ / 南スーダン / ロピット / ケニア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ケニアの難民キャンプでのフィールドワークに基づき、「伝統的な」モノを作り、歌い、踊るというパフォーマティブな文化的実践をとおして、南スーダン難民がどのように「家(home)」を創造し、帰属意識を生成するかを明らかにする。難民が、故郷や過去との空間的かつ時間的なつながりを感覚的に取り戻すうえで、物質的なモノやそれを使うという身体的な行為がいかなる効果をもつかを考察する。本研究をとおして、文化人類学において関心が集まる身体性及び物質性に関する議論を、難民研究の領域において探求することを目指す。
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研究成果の概要 |
3年間の研究期間全体をとおして、新型コロナウイルス感染拡大の影響が原因でフィールドワークが実施できなかったこともあり、データ収集に関しては予定より遅れた。しかし、南スーダンのロピットの人々とのオンライン上での情報交換を断続的に行うことで、研究は一定の進捗がみられた。 成果発表に関しては、これまでのウガンダの難民居住地で実施してきた調査成果の公開を含め、単著1冊、編著2冊の刊行、英文・和文含めて9点の雑誌論文及び分担執筆論文の出版、学会と研究会含めて7回の研究発表を行うことができ、十分な成果をあげた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果は、モノのエージェンシーに着目することで、従来の移民・難民研究において注目されてこなかった物質的なモノと移動民との相互作用について新たな視点を提供した点において学術的意義がある。また、2021年に出版した単著『南スーダンの独立・内戦・難民』については、2013年の南スーダンの内戦下で発生した大規模な難民流出に対して、南スーダンや人道支援をめぐる最新の情報や動きを整理するだけでなく、過去の難民移動との連続性や、難民の社会生活について詳細に記述した点が高く評価されており、アフリカの難民に関する数少ない民族誌のひとつとして学術的に貢献した。
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