研究課題/領域番号 |
20K22040
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
村津 蘭 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 研究員 (50884285)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 宗教人類学 / 西アフリカ / ベナン / 霊的存在 / マミワタ / 信念 / 情動 / 感覚 / 超常的経験 / アフリカ / 憑依 / ペンテコステ・カリスマ系教会 / 映像人類学 / 精霊 / 都市 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は現代アフリカの都市部で宗教・民族を超えて広がる精霊信仰を身体と環境の関係から探究するものである。本研究では、ベナンの都市の若年層を中心に憑依や夢を通して現出する精霊マミワタに焦点をあて、都市的環境と身体の相互作用の中で精霊が感じられるようになる過程を明らかにすることで、現代アフリカ都市を生きる若者の身体的現実と信念の形成過程を示し出す。また同時に、調査での撮影映像を本媒体に組み込みながら民族誌を編むことで感覚を喚起し「経験」へと導く新たな民族誌のあり様を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究は現代アフリカの都市にあふれる「超常的現象」を経験の次元から探究するものである。COVID-19による現地調査中断が続き、当初は遅れていた研究課題であるが、2021年度後半より渡航が可能となり、ベナン及びトーゴで聞き取り調査を行い、また参与観察を実施することができた。また、研究成果としては学会の発表に加え、シンポジウムなどでも口頭発表してきた。論文は関連するテーマで日本語論文4本、英語論文3本を公刊した。また最終年度にはベナンのペンテコステ・カリスマ系教会の「超常的経験」をめぐった単著1冊と、成果の映像人類学的方法を探究する編著1冊を刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は現代アフリカの都市にあふれる「超常的現象」についての言説を経験の次元から探究するものである。これまでのアフリカ研究では人々が語る「超常的経験」はその経験の真偽は問われることなく、政治や経済などを表象するものとして縮減され論じられてきた。その結果、起点のなる人々の経験とそれが説得力を持ち現実を生成していくメカニズムについては十分に明らかにされてこなかった。本研究は「超常的経験」の環境的・状況的な条件、言語的表出のされ方や都市における身体的な経験、メディア状況を捉えることによって、「超常的経験」が現実に組み入れられ現実を再構成するあり方を明らかにし、文化人類学的議論に貢献した。
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