研究課題/領域番号 |
20K22042
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
中野 隆基 明星大学, 教育学部, 講師 (00883729)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多文化・多言語主義 / 言語社会化 / 学校教育 / 先住民言語 / ラテンアメリカ(南米低地先住民社会) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ボリビア東部低地の異文化間・文化内複言語教育を対象として、民族誌的に自他関係や社会変化の議論を問い直すものである。具体的には、ボリビアの異文化間・文化内複言語教育の公的言説の整理・分析を行ったうえで、ボリビア東部低地のチキタノ語教育についての民族誌的データの収集と分析を行う。これにより、該当の教育制度の構造や歴史的背景と、教室でのコミュニケーションがどのような関係にあり、それらがどのように自他関係や社会変化を生成するのか、現在進行中のボリビアの政治体制の転換過程も踏まえながら、総合的に調査・記述・分析することを目指す。
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研究成果の概要 |
成果は主に次の点に集約される。第一に、言語人類学、教育人類学、文化人類学、ラテンアメリカ地域研究を含む幅広い分野の資料の収集・検討により、多文化・多言語教育を多角的かつ地域をまたがる形で検討するための理論的示唆を得ることができた。第二に、文献を通じた検討に留まらず、口頭発表、書籍、論文を通して成果を発表し、フィードバックを得ることができた。第三に、以上を通じて、ボリビア東部低地の異文化間・文化内複言語教育の民族誌的調査から、その調査を行う文化人類学者自身の言語社会化、国内高等教育機関のスペイン語教育に至るまでの過程を記述し理論化する、という今後の研究の方向性を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今の文化人類学における南米低地先住民社会研究では、遠く離れた他者の世界観を強調する存在論的研究が隆盛を極める一方、都市的文脈や具体的なコミュニケーションの文脈自体は軽視される傾向にあった。それに対し本研究は、学校教育における言語への/を通した社会化という視点から、学校という都市的文脈におけるコミュニケーションに埋め込まれた教育的・社会意味を掬い取ることに力点を置いた。さらに、人類学者自身の言語社会化や、フィールドから帰国後の高等教育での教育論と経験的に接続し、包括的に検討した。これにより、フィールド調査・研究と帰国後の教育を相補的に発展させる語学教育・人類学教育の可能性を見出すことができた。
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