研究課題/領域番号 |
20K22044
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
藤枝 絢子 京都精華大学, 国際文化学部, 講師 (60598390)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 伝統建築 / 伝統住居 / 南太平洋島嶼国 / ヴァナキュラー建築 / 在来知 / 技術訓練学校 / フィジー / バヌアツ / 伝統的住居 / 南太平洋島諸国 / 維持継承 |
研究開始時の研究の概要 |
南太平洋島嶼国の村落の伝統的住居は、コミュニティの日常の中で蓄積されてきた知恵や工夫、技能などを含めた広範な「伝統的住居の建設をめぐる在来知」によって建設される。しかし、伝統的住居は減少の一途を辿っており、その在来知は消滅危機にある。現代の状況に即した新たな維持継承が模索されるなか、教育機関などを通じた村落外での継承機会の創出が期待されてきた。しかし、地域固有性が高く形式化されてこなかった在来知と教育機関の形式知の教授・学習の性質は異なる。本研究では、フィジーとバヌアツの伝統的住居の建設をめぐる在来知の性質と現地の技術訓練学校の特性から、新たな継承の場としての可能性を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
南太平洋島諸国の村落の伝統的な住居は、直接関連する知識や技術だけではなく、コミュニティの日常の中で蓄積されてきた知恵や工夫、技能などを含めた「伝統的住居の建設をめぐる在来知」によって建設される。しかし、村落を取り巻く状況は変化し、伝統的住居の建設は減少の一途をたどり、建設をめぐる在来知は消滅の危機にある。現代の状況に即した新たな継承機会の創出が必要とされるなか、本研究では、フィジーとバヌアツを対象とし、技術訓練学校を事例とし、伝統的住居の建設をめぐる在来知の性質と教育機関の特性から、新たな可能性を検証とすることを目的とした。本年度は、フィジー(2022年8月、2023年3月)、バヌアツ(2023年2-3月)にて現地調査を実施した。 フィジーでは、ナバラ村を対象に伝統的住居の再建や修繕の状況を確認するとともに、建設に関連する技術、村内で継続的の建設するための共同労働や技術継承の仕組みを把握した。また、適正技術開発センターおよびフィジー国立大学を訪問し、これらの機関が提供する技術訓練プログラムに関する情報収集を行うとともに、伝統建築技術に関する教育プログラムの実施可能性についてヒアリングを行った。近年、在来資源を活用したサステナブル建築への関心が高まっており、その文脈より伝統建築技術の教育プログラムへの導入への可能性を確認し、これらをまとめ2022年11月に国際開発学会にて口頭発表を行った。 バヌアツでは、バヌアツ・タンナ島のミドルブッシュ地域にて、村落における伝統的住居の建設状況を確認した。タンナ島の村落では自然資源を活用した住居建築が一般的である。しかし、近年国外での季節労働に従事する者が急増し、まとまった現金収入を得ることにより、工業製品をもちいた住居建設が急速に進んでいることが明らかとなった。これらをふまえ、今後、バヌアツの技術訓練学校へのヒアリングが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、伝統的住居の建設をめぐる在来知に関する補足情報および技術訓練学校の基礎情報を収集するために、バヌアツ、フィジーでの現地調査を予定していた。新型コロナウィルスの影響により、2022年度に、フィジーでの現地調査を2回、バヌアツでの現地調査を1回実施した。フィジーにおいては、建設をめぐる在来知に関および技術訓練学校に関する情報収集をおこない、技術訓練学校における伝統建築の建設技術の継承可能性を考察するに至った。しかし、バヌアツでは、現地調査時にサイクロンが直撃したため、予定どおりに調査を進められず技術訓練学校に関する情報収集が実施できておらず、2023年度に継続調査が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、現地調査を2022年度より開始し、調査の進捗が遅れている。2023年度は、2022年8-9月にフィジーおよびバヌアツで現地調査を行い、フィジーにおいては技術訓練学校に関する補足調査、バヌアツにおいては在来知に関する補足調査および技術訓練学校に関する情報収集を行う予定である。2023年度後半には、これらの情報にもとづき、技術訓練学校における在来知の継承可能範囲の検証を検証するとともに、教育機関に代表される村落外での在来知の新たな継承の場を創出にみられる課題と可能性を考察し、学会発表および論文にてまとめる予定である
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